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平均年金「16万円」だが…“消えた所得倍増”で悲惨さ増す今、老人ホームの請求額に日本人撃沈

平均年金「16万円」だが…“消えた所得倍増”で悲惨さ増す今、老人ホームの請求額に日本人撃沈 (※写真はイメージです/PIXTA)

「所得倍増」をめぐり、世間が揺れています。私たちの所得、そして年金はどうなるのか。厚生労働省『2019年国民生活基礎調査』などをもとに見ていきます。

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「所得倍増」含有する意味合いにズレがあった?

「文字通りの『所得倍増』というものを指し示しているものではない」

 

昨日の山際経済再生担当大臣の発言を受け、世間は騒然となりました。Twitterでは「所得倍増」がトレンド入り、Yahoo!ニュースも主要トップに同話題を掲載するなど、混沌の様相を見せています。

 

厚生労働省『2019年国民生活基礎調査』より所得分布を見ると、「200~300万円未満」が13.6%、「300~400万円未満」が12.8%、「100~200万円未満」が12.6%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は437万円。

 

「全世帯」の平均所得金額は552万3000円であり、平均額以下の割合は61.1%と過半数を超えています。平均値が倍増……なら、1000万円を超えることになります。

 

自身の所得を顧みて、改めて夢物語と感じてしまう人もいるかもしれません。特に現役を引退した高齢者の方にとっては、現在の月の所得といえば年金が主たるものになるわけですから、余計に現実を「直視しすぎて落胆する」事態に陥りかねないでしょう。

 

厚生労働省『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、80~84歳の高齢者が受け取っている平均年金額は、厚生年金が月16万575円、国民年金が月5万6572円。85~89歳では、厚生年金が月16万3489円、国民年金が5万5175円です。

 

日本の年金は3階建てですから、サラリーマンとして勤め上げた方の場合、おおよそ21万円ほどの年金を受け取る計算になります。ローンを完済した持ち家に住んでいれば、この収入は安定した生活をもたらすかもしれません。しかし、現実はそうはいかないものです。

 

老人ホームが広く知られるようになった今、ゆくゆくの入居を考えている人も少なくないでしょう。では、実際のところいくらかかるのか?

絶句の「老人ホーム請求額」

介護施設入居者の平均年齢は、介護付ホームでは85.7歳、住宅型ホームでは83.3歳、サービス付き高齢者向け住宅では82.1歳です。(平成26年 公益社団法人全国有料老人ホーム協会『有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業)。

 

介護施設代はいくらか。老人ホームには入居形態が様々ありますが、概算でかかる請求額としては、『人生を破滅に導く「介護破産」』に詳しく書かれています。

 

“介護施設の中でも、とくに安く入所できるといわれる特別養護老人ホーム(特養)の場合、利用料金は入所者本人の要介護度と所得によって決まります。 親が一般的な会社員で定年まで勤め上げ、平均的な額の厚生年金を受給している場合で、要介護3になり特別養護老人ホームへ入所したとすると、ユニット型個室利用で月額18万円程度の費用がかかります。厚生年金の平均受給額は14万円程度であるため、年金以外に年間約50万円程度の負担が必要です。” 『人生を破滅に導く「介護破産」』

 

貯蓄があれば切り崩して生活できますが、もし、厚生年金の納付状況に穴があったら。そもそも十分なお金がなかったら。あまりにも厳しい数字であることは明らかです。

 

実際にかかる費用はこれだけではありません。入居一時金、生活用品等月々の諸経費を考えれば、惨憺たる思いがしてしまうところです。

 

一方、家族による在宅介護を選択した場合はどうなるのか。少し古いデータにはなりますが、家計経済研究所『在宅介護のお金と負担 2016年調査』によると、在宅介護で1ヵ月あたりにかかる費用は、全体平均で5.0万円、要介護5認定だと7.5万円になります(介護サービスにかかる金額の平均は1.6万円)。

 

……「お金が増える」ということ。輝かしい高度経済成長期は既に「過去の歴史」として括られ、教科書で教えられている今、日本が豊かだった時代を知らない世代が、労働者としての大部分を占めつつあります。一方、彼らの親世代の方々は、凄まじい時勢の変化を生き抜いたなかで、老後の不安を日々募らせています。

 

そんな折に降って湧いた「所得倍増」。言葉の内包する意味合いは、現時点では鮮明化されていません。

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

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