(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、コロナ禍の現在、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。他人事ではない住宅ローン危機。どのような理由から、住宅ローンは払えなくなるのでしょうか? クラッチ不動産株式会社代表取締役・井上悠一氏が解説します。

がんやうつ病の治療がスタート…家に住み続けるには

③病気

 

がんやうつ病、その他の病気により仕事を辞めなくてはならなくなった、退職はしないが収入が減少し、他の借入も増えたため、住宅ローンが支払えなくなったという方の相談も多数あります。

 

がんなどの病気を患った場合には、団体生命信用保険でカバーされ、住宅ローンの支払いが免除されることもあります。病気にかかると、仕事に支障が生じて収入が減るだけでなく、治療費なども必要になります。そのうえ住宅ローンまで支払うとなれば、たちまち生活が成り立たなくなるので、こういった制度は非常にありがたいです。

 

うつ病の場合は、正常に解決策を模索できる状態でないため、ただただ問題を放置されている方もいます。競売の現況調査が行われてから私のところへ相談に来られ、いったん任意売却の方針でまとまりましたが、その後は連絡が途絶え、自宅にうかがっても玄関に出てこず、最終的に競売になってしまったという方もいました。

 

焦る気持ちは非常に理解できますが、生活の再建を考えると、まずは病気を治療することに専念すべきです。そのうえで、競売等ではなく、少しでも納得できる最善策を模索し続けることが大切です。

 

引っ越しは、身体的にも精神的にも非常にストレスがかかるので、病気のときには、できれば避けたいものです。病気の種類にもよりますが、同じ環境に住み続けることが、治療にとって大事になることもあると思います。

 

最後まで諦めずに、親子間売買(※)やリースバック(※)など、最善策を模索し、可能な限り住み続ける方法を考えることが、リスタートにとっては肝心です。

 

※ 住宅ローンが残った自宅を、子どもや兄弟、叔父叔母、姪甥などに売却すること。単に、親子間、親族間で不動産を売買するだけでなく、売却後も元の所有者が自宅に住み続けることができる。

 

※ リースバック…不動産会社・金融会社・投資家などに自宅を売却し、買主から自宅を賃貸する方法。所有権を移転するため「自分のもの」ではなくなるが、賃料を支払って住み続けることができる。

 

 

井上 悠一

クラッチ不動産株式会社 代表取締役

 

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