養老孟司「なんだか元気がない」…診断で発覚したまさかの病名

東京大学名誉教授で、執筆活動も盛んな医学博士・養老孟司氏。「病院嫌い」の先生は、コロナ禍の2020年6月、実に26年ぶりに東大病院を受診することとなりました。同氏が語る受診の経緯から、「人生」と「死」への向き合い方が見えてきます。 ※本連載は、書籍『養老先生、病院へ行く』(エクスナレッジ)より一部を抜粋・再編集したものです。

中川医師が急ぎ足でやってきて…驚きの診断結果

そこへ、中川医師が急ぎ足でやってきました。「養老先生、心筋梗塞です。循環器内科の医師にもう声をかけてありますから、ここを動かないでください」と言われ、そのまま心臓カテーテル治療を受けることになりました。その前後のことは、半分寝ているようだったのでよく覚えていません。

 

カテーテル治療後は、ICU(集中治療室)で2日ほど過ごし、循環器内科の一般病棟に移りました。カテーテル治療の前後やICUにいたときは、意識がぼんやりしていて、お地蔵さんのような幻覚も見えました。お地蔵さんは、阿弥陀様だったのかもしれません。

 

 

病院から出るには2つの出口があります。1つは阿弥陀様から「お迎え」が来て、他界へと抜け出ます。もう1つは、娑婆(しゃば)に戻ります。現在の病院は後者の機能が大きくなっています。前者はホスピスと呼ばれる終末医療です。昔の病院がお寺や教会に属していたのは、この機能が大きかったからでしょう。

 

しかし、阿弥陀様には見放されたらしく、とりあえず私が出たのは娑婆の出口のほうでした。

 

 

養老 孟司

東京大学名誉教授

東京大学名誉教授 医学博士
解剖学者

1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。

95年、東京大学医学部教授を退官後は、北里大学教授、大正大学客員教授を歴任。京都国際マンガミュージアム名誉館長。

著書に、毎日出版文化賞特別賞を受賞し、447万部のベストセラーとなった『バカの壁』(新潮新書)のほか多数。

著者紹介

東京大学大学院 医学系研究科 特任教授 医学博士

1960年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部放射線医学教室入局。

社会保険中央総合病院放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現在、東京大学大学院医学系研究科特任教授。2003年〜2014年、東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。

共・著書に『医者にがんと言われたら最初に読む本』(エクスナレッジ)多数。

著者紹介

連載養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

養老 孟司
中川 恵一

エクスナレッジ

あの「あの病院嫌い」の養老先生が入院した!? 自身の大病、そして愛猫「まる」の死に直面した養老先生が、「医療」や「老い」「大切な存在の死」とどう向き合うかなど今の時代のニーズに合致しつつも普遍的かつ多様な書籍で…

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