国内債券と価格変動が大きく異なる「新興国株式」
また資産運用における分散投資として、新興国株式を考えられてはと思います。不動産の賃貸経営は、「擬似債券投資」と考えられることもあります。不動産賃貸経営の収益が急成長することなどありえないのであり、それは債券投資に似ているのです。
そこで分散投資の理論を活用し、新興国株式ファンドのようなハイリスク・ハイリターンの投資を少量組み合わせることを考えられてはいかがでしょうか。債券投資をすることは、「擬似債券投資」を行っている地権者の方に、さらに同じようなリスクの資産を増やすことになり、偏りを増す可能性もあります。そこで、国内債券とは価格変動が大きく異なる新興国株式へ投資して、価格変動の平準化を図るわけです。
新興国の経済成長の見通しは、2022年は5.2%、2023年は4.7%であり、これに対して先進国は2022年4.2%、2023年1.8%となっています(IMF2021年7月時点見通し)。新興国株式は先進国の株価変動とは大きく異なることがあります。そのため、たとえ新興国の株価上昇幅が先述の経済見通しとは異なり、先進国並であったとしても、相関性が小さいことから分散投資の対象として取り込むと、全体としてリスクの低減が起こります。
投資で大切なことはリスクのコントロールです。新興国投資はその株価の上昇期待、ハイリターンばかりが言われますが、リスクコントロールの観点からその意味を考えて、少量の投資を行ないたいものです。
藤波 大三郎
中央大学商学部 兼任講師
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】