(※写真はイメージです/PIXTA)

「停まっていたフェラーリを見て憧れ、歯科医を志した」…お世辞にも裕福とは言えない家庭環境から歯科医師になったあづみハッピー歯科医院院長・安積中氏。本記事では、人生を変えることになった同氏の「強烈な体験」について見ていきましょう。

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    「歯医者になったらフェラーリに乗れるんや…」

    「めっちゃかっこええなあ」

     

    1972年、小学1年生の時のことです。それは運命の出会いでした。

     

    友達と一緒に学校から帰る途中、その姿が突然、目に飛び込んできました。

     

    輝いていて、一瞬で惚れました。吸い寄せられるように近寄り、気づいたらボディを撫でていました。

     

    「こんな形なんや」

    「思ったよりも大きいな」

     

    友達とそんなことを話しながら、下からのぞいてみたり、中をのぞき込んだりを繰り返しました。私の心を奪った相手、それは紺色のフェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー、通称BBでした。

     

    当時、小学生の男の子たちを虜にしていたのはスーパーカーです。特に人気があったのが、ガルウイングのランボルギーニ・カウンタックです。ほかにも、ランボルギーニ・ミウラ、デ・トマソ・パンテーラ、ランチア・ストラトス、ポルシェ、ロータス・エスプリ、そしてフェラーリBBなど、名車を挙げればキリがありませんが、子どもたちにはそれぞれ好みのスーパーカーがありました。当然、大人でも買える人はごくわずかで、子どもたちにとっては夢のまた夢だったので、「スーパーカー消しゴム」が大流行し、子どもたちはこぞってコレクションしていました。

     

    憧れのスーパーカーの一台が自分の目の前に止まっています。雑誌でしか見たことがなかったイタリアの名車を、まさか大阪の下町で見るとは夢にも思っていませんでした。

     

    この日以来、学校に行くのが格段に楽しみになりました。好きな子がいると学校が楽しくなるのと同じように、登下校でフェラーリを見る(たまに触る)のが、なによりも楽しみになったわけです。この出来事は、私の未来を決める出来事でもありました。

     

    一緒にフェラーリを見ていた友達が、

     

    「歯医者さんて金持ちなんやな」と言います。

     

    「なんで?」

     

    と私が聞き返すと、友達は「だって、ほら…」と、歯科医院の看板を指差しました。私は、フェラーリに夢中で気づかなかったのですが、そこは近所の歯科医院の駐車場だったのです。

     

    「歯医者さんか…。歯医者になったらフェラーリに乗れるんや…」

     

    そして、私は決心しました。

     

    「よし、歯医者になろう」

     

    なんとも単純過ぎる動機ですが、このときから約20年かけて、私は歯医者を目指すことになったのです。

    次ページ「もうあかん」「これ以上は無理や」

    ※本連載は、安積中氏の著書『人生を切り開く笑いのチカラ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    人生を切り開く笑いのチカラ

    人生を切り開く笑いのチカラ

    安積 中

    幻冬舎メディアコンサルティング

    人生における失敗や挫折を「笑い」に転換するための思考法とは? 日本人の4人に1人は何かしらの不満を抱えています。 老後の未来には年金不安と健康不安が待ち受けており、それに加えて、昨今ではコロナ禍での鬱々とした…

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