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間もなく相続税の申告期限を迎えるのにまだ準備ができていない。面倒だから、そのまま申告しないでおこう……。このように相続税の申告を怠ると、どうなるのでしょうか。

配偶者の税額軽減で相続税なしでも無申告ではNG

相続税の計算で、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用した場合、結果として相続税がかからなくなる場合があります。

 

計算の過程で相続税がかからないことがわかっても、そこで安心して相続税の申告手続きをやめてはいけません。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用するためには、相続税の申告が必要です。

 

相続税の申告がなければ、税務署では、特例を適用して相続税がかからなくなったのか、それとも単に無申告であるだけなのかの判断ができません。

 

相続税がかからないのにわざわざ申告するのは面倒ですが、特例の適用という合法的な手段で相続税がかからなくなったことを証明するためにも、相続税の申告は期日までに行いましょう。

無申告で時効まで乗り切るのは不可能

相続税の時効は納税期限の翌日から5年以内です。ただし、意図的に申告しなかった場合など特に悪質な場合は7年に延長されます。冒頭でもお伝えしたように、税務署には強力な調査権限があります。意図的に申告をしないで7年の時効を迎えるまで乗り切ろうと考えても、いずれ税務調査が行われることになります。

 

税務調査で無申告が発覚した場合のペナルティーが高額になることは、ここまでお伝えしてきたとおりです。場合によっては刑事罰が科されることもあるので、無申告で時効まで乗り切ろうと考えることはやめましょう。

まとめ

相続税を申告しなかった場合は、必ず税務署に見つかります。本来の税額に対して最大で40%の重いペナルティーが課されるほか、納税までの期日に応じた延滞税も課されます。

 

それでもやはりなるべくなら高額な相続税は支払いたくないと思うのは当然のことでしょう。相続税をできる限り減らしたいのであれば一番良い方法は「早めに税理士に相談すること」です。

 

「相続税の上に税理士報酬まで支払わなければならないの!?」と思われるかもしれませんが、相続税に詳しい税理士に依頼することで結果的に税理士報酬分以上に相続税が削減できたということも決して珍しいケースではありません。

 

申告期限が迫ってから依頼すると税理士報酬も追加されてしまうので、早めに税理士にお任せしてしまうことが結果的に一番お得に相続税を申告できる方法と言えるでしょう。

 

また、既に無申告のまま申告期限を過ぎている方も、税務調査を受ける前に自主的に申告すればペナルティーは軽減されます。手続きに時間がかかって期日に間に合わない場合も、相続税に精通した税理士であれば迅速に対応できるので、すぐに相談することをおすすめします。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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