(※写真はイメージです/PIXTA)

RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに一度は感染すると考えられています。本記事では、小児科専門医の杉田依里先生がRSウイルス感染症に感染したとき、家庭で気をつけるべきポイントを解説します。

自己判断は危険、早めに医療機関を受診を!

RSウイルスに感染したとき、重篤な合併症として注意すべきものに、無呼吸発作、急性脳症等があります。生後1カ月未満の赤ちゃんがRSウイルスに感染した場合は、風邪症状がなかったり、RSウイルス感染のときに見られる症状がはっきりしないことがあり、診断が難しいことがあります。また、突然死に繋がる無呼吸発作を起こすことがあります。

 

中耳炎の合併が多いことも特徴です。一度下がった熱が再度上がってきた、または熱がなかなか下がらない場合は医療機関を受診してください。

 

特別な治療薬はなく、症状にあわせた治療を行います。たとえば、ゼイゼイと喘息のような呼吸が出るような場合は、喘息のときと同じお薬が処方されることが多いです。しかし、喘息ではありませんので、症状を劇的に改善させることはできません。ですから、ホームケアが重要になります。

 

以下に、RSウイルスに感染したときに家庭で気を付けることを記しておきます。(主に1歳未満の赤ちゃん)

 

・呼吸が苦しそうなときは、背中を優しくたたいたり、体を起こすように抱っこしてあげてください。
・部屋が乾燥しすぎないように工夫しましょう。
・咳こんで吐くことがあります。母乳やミルクは1回の量を少なくして、何回にも分けて与えましょう。

 

以下のようなときは、入院して医療的なサポートが必要と考えられます。できるだけ早く医療機関を受診してください。

 

・呼吸のときに、ゼイゼイ、ヒューヒュー、といった苦しそうな音が強い状況が続いている
・胸やおなかをペコペコさせて息をしている
・顔色がよくない
・水分がとれない
・繰り返し嘔吐する

気になることがあったらかかりつけ医に相談を

小さく生まれた早産児や、産まれつき心臓や肺に病気があるといった、重症になりやすいと考えられる赤ちゃんには、パリビズマブという、遺伝子組換え技術を用いて作成されたモノクローナル抗体を直接投与してRSウイルスへの感染や、重い症状になることを予防する方法を用いることがあります。

 

しかし、自分自身で抗体を作り出しているわけではないので、月に1回、筋肉注射を繰り返す必要があり、重症になりやすい赤ちゃん以外は投与することができません。

 

また、ワクチンもないので、6カ月未満の赤ちゃんへの感染を防ぐように家族が注意する必要があります。

 

さて、保育園に通っているお子さんがいる親御さんは、いつから登園できるのかといったことが気になるのではないでしょうか。

 

通常、登園は1歳以上のクラスであれば、熱が下がって咳こみが目立たなくなってくる1週間後くらいから可能なことが多いです。

 

0歳児クラスでは、ほかの子どもへの感染予防の観点からもうすこし長くお休みが必要になることがありますので、かかりつけ医に相談してください。

 

 

杉田依里

院長

新大塚こどもクリニック

 

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『こどもKARADAs』から転載したものです。