(※画像はイメージです/PIXTA)

人はたとえ「ひとりぼっち」だったとしても、疎外されていると感じなければ、「疎外感」は覚えません。「孤独」が即座に疎外感を生み出すわけではありません。どうしたら孤独に飲み込まれないようになるのでしょうか。※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

ひとりの時間は大切な思索のための時間

人の視線が怖い、周りからどう思われるか怖いというのは、誰にでもあることです。しかし、ひとりでいるということは、別に悪いことでも恥ずかしいことでもありません。

 

オタク道を極めた人が、「もう人からどう思われようが関係ない、オレはオレの好きな道を行くんだ」と開き直るように、みなさんも「私は私。他人は他人」と開き直ってみればいいのです。こうした面では、オタクの人たちを大いに見習うべきでしょう。

 

実際のところ、「みんなに合わせなければいけないなんて、不便きわまりない」とか「多少、浮いていたって別にどうってことない」と思う人は、集団になじめなくてもあまり気にしません。前述したように、人は疎外されていると思わなければ、疎外感というものを感じることはないからです。

 

「みんなと一緒にいないとダメなんだ」

 

「仲間に入れてもらえるだろうか」

 

そう思うから、疎外感というものが湧き起こってくる。「孤独=疎外されている」のではなく、「孤独=悪い=疎外されている」という図式なのです。

 

だから、その図式をちょっと変えてあげればいい。「孤独=悪」と考えるのはやめ、「孤独=ひとりの時間=ひとりきりでゆっくり考えるチャンス」と捉えましょう。

 

ひとりの時間は、あなたにとって大切な思索のための時間なのです。

 

■「友達がいないとダメ」という考え方は可能性を狭める

 

友達がたくさんいようがいなかろうが、それはあなたの人間的な魅力を測るモノサシにはなりません。いくらたくさん友達がいても、表面的なつきあいしかできないのなら、いてもいなくても同じ。むしろ、そういうつきあいのなかでは「自分」の存在が希薄になってしまい、孤独感が増してしまうことすらあるでしょう。

 

反対に、友達が少なくても、本音で語り合える深いつきあいができるのなら、それは100人の友人に値するかもしれません。

 

もちろん、たくさんの人から好かれるような賑やかな人、朗らかな人は、つきあっていて気持ちがいいものです。とても魅力的に映るし、そういう人に憧れたりすることもあるでしょう。

 

でも、それだけが人間の魅力ではないのです。

 

思慮深さがあるとか、人に対してさり気ない思いやりの気持ちを示せるとか、冷静沈着な判断ができるとか、ものごとを深く考え抜けるとか、自分がブレないとか、人にはもっといろんな魅力があります。

 

大勢の友人がいるという魅力だけに捉われる必要はありません。

 

もし、あなたが友人の多いタイプで、それこそが「自分らしさ」だと感じているなら、そこをもっと追究していけばいいでしょう。

 

でも、そうではないなら、あなたはあなたの自分らしさを見つけたほうがいいのです。あなただけの自分らしさが見つかれば、それが他人には「魅力的だ」と映るのです。

 

「友達はたくさんいないとダメだ」
「友達がいないなんて、魅力がない証拠」

 

こう考えることは、あなたの可能性を狭めること。

 

世間の常識にとらわれる必要はありませんよ。

 

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

孤独と上手につきあう9つの習慣

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