(※画像はイメージです/PIXTA)

社員が定着しない社長には共通点がある。周りにイエスマンばかり置いて確固たる独裁経営を実現し、 社外活動ばかりに精を出し肩書きはご立派、会社の現場を把握していないのに口だけは達者、業績低迷中でもお抱え運転手がいるなど金遣いが荒いという。社長が変わらない限り、早かれ遅かれ倒産は避けられないというが……。

「社長が独裁者タイプ」は社員が定着しない

■人が定着しない企業は長生きできない

 

「社員がすぐ辞めてしまい困っている」

 

という相談を会社の社長からよく受けます。

 

給与や拘束時間など、諸々の労働条件は健全で、働きやすい環境を提供しているはずなのに、なぜか社員が定着してくれないというのです。人が離れてしまうと当然売上にも響いてしまい、たとえ事業自体が安泰で前途洋々の兆しがあっても、このままでは人材不足で倒産してしまいます。

 

そのような、一見すると「なぜ人が離れてしまうのだろう?」と首を傾げたくなる、不思議な悩みが寄せられるのです。

 

しかし、社長から詳しく会社の様子を聞き出してみると、社員が定着しない理由が明確となります。

 

「社長、あなた、独裁者ですよ!」

 

と、社長に主張したくなるのですが、心のなかで思うのみです。言ったところで、社長には独裁者の自覚がないので、まったく無意味であることを知っているからです。社長が独裁者タイプ。人が離れやすく、短命に終わってしまう残念な企業最大の特徴は、まさにこれなのです。

 

■とある独裁者タイプ社長の場合

 

社員100人ほどのとあるメーカーでは、年々従業員数が減り、売上も下降気味です。

 

このメーカー社長は、「社員に口出しせずにはいられない」という、典型的な独裁者タイプでした。社員が言うことやることにいちいち文句をつけ、自分の思いどおりに事が進まないと叱責の嵐です。

 

いかに社長から命じられたとおりに社員が事を進めていても、良い結果が出ていなかったら、社長は社員を叱りつけます。

 

「社長に言われたとおりにやっただけなのに」と、 叱られる社員にとってはまったく面白くはありません。当然のことながら、社員が責任感を持って仕事に取り組むことはありませんし、ただただ社長の叱責に耐えるだけで、何の変化や成長もないまま、同じことを延々と繰り返すだけの業務になります。

 

とにかくこの社長は、自分の思いどおりにならないと気が済みません。ですから、社長を取り巻く役員連中は、社長の言うことに対してひたすら首を縦に振るだけの、イエスマンばかりがそろっています。

 

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※本連載は藤間秋男氏の著書『社長引退勧告 1年以内に次期後継者を決めなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、再編集したものです。

社長引退勧告 1年以内に次期後継者を決めなさい

社長引退勧告 1年以内に次期後継者を決めなさい

藤間 秋男

幻冬舎メディアコンサルティング

「社長の年齢が60代の中小企業のうち、約半数は後継者が決まっていない」――中小企業庁が発行している「中小企業白書(2020年版)」のデータです。 事業を引き継ぐ人がいないということは、たとえ経営が安定していても、廃業も…

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