※画像はイメージです/PIXTA

M&Aについてしばしば誤解されるのが「赤字や債務超過があると譲渡できない」ということです。しかし実際には、いくつかのポイントをクリアすれば十分可能だといえます。Q&A形式で、詳しく解説していきます。※本記事は『スモールM&A実務ハンドブック』(五十嵐次郎著、中央経済社)より抜粋・再編集したものです。

債務超過でもM&Aは可能、実態BSの修正事項を検討

Q2 自社は債務超過ですが、M&A(譲渡)できますか?

 

A2 対象会社が債務超過(会社の負債が資産を上回っている状況、純資産〈自己資本〉がマイナスの状況)でも、M&A(譲渡)は可能です(図表2)。

 

[図表2]債務超過でもM&A(譲渡)は可能

 

上記Q1の3要点のうち、②のBS面について、見てみます。

 

対象会社のBS(貸借対照表)の純資産がマイナスである場合、会社の価値はゼロ評価であり、そのままの評価であれば、買い手候補先が出現しない可能性があります。売り手は、以下のような実態BSの修正事項を検討することが重要です。

 

[主な実態BS修正事項(売主サイドの検討)]

  資産の含み益 :不動産や有価証券などに含み益があるか

  事業用不動産(個人所有):個人所有の事業用不動産に含み益があるか

  保険積立金 :役員保険の帳簿価格と解約返戻金との差額(含み益相当)があるか

  役員借入金 :役員借入金を実質的な資本と見なすことが可能か

 

これらの修正項目につき、純資産に加算可能であれば、買い手候補が出現する可能性はあり、M&A(譲渡)は可能といえます。

 

・数値例:対象会社の純資産(表面)は▲100百万円の(表面)債務超過となっていますが、有価証券などの含み益の加算により+60百万円、役員借入金の資本化により+70百万円で、計+130百万円の実態純資産の加算が可能となり、実態純資産は30百万円の資産超過となります。

 

 

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五十嵐 次郎

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