浦田クリニック/スコール金沢(医療法人ホスピィー)

病気に対する適切な治療に加えて、健康で若々しく生きるためのケアも、現代の医療に求められている分野です。病気や身体に関する遺伝や環境のリスクを早期に発見して、リスクに応じたアプローチを早い段階から行っていく「予防医療」や、従来の近代西洋医学のみにとらわれず、多岐にわたる視点から全体的なアプローチを行う「統合医療」に注目が集まっています。

自らの健康改善を機に抗加齢医学・予防医療と出会う

田村氏:「浦田クリニック/スコール金沢」で、浦田理事長が実践されている、「新しい統合医療」とは、どんなものでしょうか?

 

浦田理事長:現在一般的に広く行われている「標準医療(近代西洋医学)」と、それを補うための心身療法・ヘルスケアなどの「補完医療」、そして病気を未然に防ぐための「予防医療」の3軸を両立させるものです。

 

田村氏:それぞれが補い合って、相乗効果を生むシステムなのですね。浦田理事長が「新しい統合医療」を目指すうえで、何かきっかけがあったのでしょうか?

 

浦田理事長:自身の身体の不調です。38歳のころ気がつくと体重92kg。いわゆるメタボリックシンドロームでした。医者の不養生、そのものですね(笑)。このことがきっかけで運動療法、栄養療法、といった予防医療に興味を持ち、老化やアンチエイジングについての研究会「日本抗加齢医学会」に入会しました。

 

田村氏:私たち株式会社ヘルシーパスも、医師や薬剤師と情報交換をしながら栄養療法を発展・普及させるための製品を生み出すために入会しています。浦田理事長にもそのときにお会いしていますね。

 

浦田理事長:「日本抗加齢医学会」で出会ったのが、「補完医療」という考え方。もともと、漫然と薬を摂取し続けるだけの対症療法に強い抵抗感があったので、標準治療をまったくゼロにせずとも、東洋医療や自然療法など世界の医療やヘルスケアシステム、施術やサプリメントなどを組み合わせながら補助的にサポートしていくイメージが湧きました。

 

私自身、富山県魚津市で昔ながらの地域医療に従事する開業医の息子として父の後ろ姿を見て育ち、広い知識と経験が地域医療に役立つと思い、大学では救命救急科に所属しました。

 

卒業後は、周辺人口が7~8,000人ほどの石川県河内村(当時)に開業し「無医村医療」に取り組んでいました。新生児から高齢者まで、24時間365日体制で外来診療や往診を行う傍ら、介護保険施行前の医療保険下で県内初めてのデイケアも開設し、多くの高齢者の全身状態を改善し、QOL向上に寄与しました。

 

患者さんの話を丁寧に聞きながら誠意を持って接することで村民の方々との信頼関係を構築しながら、皆さんが少しでも長く住み慣れたご自宅で元気に過ごせるように、医師としてできることは何かを常に模索していました。

 

また、魚津市で平成12年に親の後を引き継いで移転新築した病院と新たに開設した老人保健施設に採用した看護師が、前職の急性期病院では思うようにさせてもらえなかったので、ぜひ実践したいと言ったことで導入したアロマセラピーも大きなきっかけでした。

 

癒しや鎮静効果はもちろん、精油の薬理効果で血圧を下げたり、爪白癬を治療したり、NK細胞を活性化させ、明らかに免疫力が高まったことを目の当たりにし、近代西洋医療だけでは補えない、補完医療の可能性を感じました。今ではアロマセラピーを正しく医療に応用する医療従事者で組織された「日本臨床アロマセラピー学会」の理事も務めています。

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