(※写真はイメージです/PIXTA)

現代は将来の予測が困難な状態を意味するVUCAの時代と呼ばれています。 ※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

これだけは押さえておきたい「12の共通トレンド」

変化が激しい不確実性の高い時代ですが、以下の項目はあらゆる産業を通じた共通したトレンドとして押さえておきましょう。

 

(1)日本の人口減少・少子高齢化継続

少子化と長寿命化が続くことにより、日本の人口減少と高齢化は当分の間継続します。これにより生産年齢人口が減ることで、労働力不足が起こり、外国人労働者に負う部分が多くなります。

 

(2)地球温暖化と災害の激甚化

CO2等の温暖化ガスの削減が言われていますが、思ったよりは進んでおらず、地球温暖化は一層進行し続け、それに伴って台風や大雨等による災害の激甚化が世界中で起きます。

 

(3)クリーンエネルギーへシフト

温暖化ガスを排出する火力発電所を増やせないこと、原子力発電所のリスク管理の難しさなどから、太陽光発電・風力発電などクリーンエネルギーシフトが進みます。

 

(4)エネルギー争奪戦

そうは言っても、アジアやアフリカの新興国が経済成長するためにエネルギーが必要となり、エネルギー源の争奪戦が続きます。

 

(5)新興国の経済成長と政治力の強まり

飢餓からの解放は、人類の歴史始まって以来のテーマで、新興国も経済成長を目指します。一方で、経済成長できると中国のように政治的な発言力も求め、対外的に強気な姿勢が出てきます。

 

(6)新興国での環境問題深刻化と対策

新興国が経済発展すると、環境汚染対策は後手となり、環境汚染問題が深刻化し、その対策が求められます。中国の経済発展とPM2.5問題はその典型的な例です。

 

(7)食糧争奪戦

人口増加は貧しい国ほど多く、世界の人口は増え続けています。一方食糧生産は人口ほどには増えないため、食糧不足に陥り、食糧の争奪戦が起きます。三陸沖でサンマが獲れなくなったのは、中国や台湾による遠洋漁業での乱獲も影響しています。

 

(8)グローバル交流の拡大とパンデミックリスク増大

人は豊かなると、旅をしたくなります。このため経済成長とともに観光客が増え、交流が進み、その結果新型コロナウイルスのようなパンデミックリスクが増大します。

 

(9)内需型企業の海外進出

国内人口が減少していくため、内需型企業も成長を求め海外進出を計ります。食品・住宅・鉄道・小売業等どんどん海外へ出て行っています。

 

(10)マンガ・アニメ・和食等日本文化が海外で人気拡大

人間異国情緒に憧れますから、マンガ、アニメ、和食など日本文化固有の部分は、旅行客の増大とともに海外の人たちにうけます。

 

(11)AI(人工知能)適用分野の拡大

コンピューターがディープラーニングという手法を使えるようになったことにより、AI(人工知能)の適用分野が広がっていきます。

 

(12)IT利用技術の高度化(IoT、インダストリー4.0等)

IoTは、Internet of Thingsの頭文字を取ったものですが、モノに電子タグなど付け情報管理できることにより、場所の特定や追跡などに使え、生産や物流の効率化、高度化が行えます。

 

ポイント
業界を問わず共通する12のトレンドを押さえる

 

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

 

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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