日本では厳しい和菓子店もアメリカで復活の可能性アリ
実際、海外でまだ十分にマーケット展開が行われていない日本の商品・技術・サービスのなかには、オニツカのスポーツシューズのように、大ヒットにつながる可能性があるものは少なくありません。
一例として、和菓子を取り上げてみます。現在、和菓子店のなかには厳しい経営状況を強いられているところが少なくありません。その背景には、若者の和菓子離れ、いわゆるコンビニ・スイーツの台頭、お歳暮・お中元の習慣の衰退等が挙げられています。
そうした状況のなかで、ここ数年、老舗和菓子店倒産のニュースも相次いで伝えられています。たとえば、2020年6月には大阪府大阪市に本拠を置く和菓子製造・販売の「株式会社高砂堂」が自己破産申請の準備に入ったこともマスコミなどで報道されています。
同社は、1891(明治24)年に創業され、「名代きんつば」などが知られていました。このように日本では行き詰まりを見せている和菓子ですが、海外からの出資を得て、アメリカに進出することで復活の手掛かりを得ることができるかもしれません。
というのは、現在、アメリカでは健康ブームの流れのなかで日本の食文化に対する注目が高まっているからです。洋菓子に使われる生クリームよりも、小豆が原料のあんこのほうがヘルシーなイメージがあるので、アメリカ人に受け入れられ売上が伸びる余地はあるはずです。現地パートナーの協力を得て綿密なマーケティングを行い、現代アメリカ人の志向に合わせたテイストに調整すれば、広く浸透する可能性が十分にあります。
また、多方面において日本との親和性の高い台湾への進出も検討する価値があります。今はむしろ台湾スイーツが日本に進出することが多い状況ですが、逆もまた真なりで、日本の和菓子が台湾で市場を開拓する余地がまだまだあるかもしれません。
和菓子ではありませんが、少し品質を替えた形で、日本の煎餅が台湾でも人気を集めるようになっています。
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