老後の資金不足が怖い人におススメ「少しずつできて、効果が高い」対策がある ※写真はイメージです/PIXTA

将来の老後資金の不足に不安を募らせる人が増えています。しかし、実際に対策を立てて行動している人は多くないようです。ポイントとなるのは「保険をかけておく」という思考ですが、生命保険や火災保険等への加入ばかりが選択肢ではありません。それ以外にも「万一に備える」手段を複数用意しておくことが大切です。具体的な選択肢を、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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コストをかけて万一の最悪な状況を緩和する=保険加入

リスクに備えるというのは、「悪い事が起きたときに、悲惨な目に遭わずにすむよう準備する」ということです。たとえば、地震のリスクに備えるといえば、地震保険に加入するといったことを考える人が多いと思います。

 

保険への加入というのは、「コストをかけて、最悪の場合の悲惨な状況を緩和する」ということです。地震が来なければ地震保険の保険料は無駄になるわけですが、仕方ありません。地震が来れば保険金がもらえるけれど、地震が来なければ払った保険料が返ってくる、などという契約が存在するはずがありませんから。

 

もっとも、保険会社との契約をする以外に広い意味での保険として、家を耐震補強する、非常持ち出し袋を用意する、地震の少ない地域に引っ越す、等々の対策が考えられます。いずれもコストをかけ、最悪の場合の被害を軽減するということですね。

 

老後資金に関しても同様です。生命保険に加入して自分に万が一のことがあった場合に妻子が路頭に迷わないようにする、というほかにも、さまざまな広義の保険があるのです。

公的年金は「老後のリスク」に備える最大の保険だ

老後の生活費を考えるときに、最重要なのは老後の蓄えではなく公的年金です。まずは公的年金をしっかり受け取れるようにしましょう。

 

サラリーマンは厚生年金に加入していて、保険料は給料からの天引きですから、とくに問題はないのですが、65歳から受け取れる年金を70歳まで待ってから受け取ると、毎回の受取額が42%増える、といった制度があるので、可能であればこれを利用しましょう。

 

より重要なのは、自営業者です。自営業者は自分で年金保険料を支払わないと老後に年金が受け取れなかったり、受取額が少なくなってしまったりしますので、忘れずサボらずしっかり年金保険料を支払いましょう。可能なら年金の受取開始を70歳まで待つという点は、サラリーマンと同様です。

 

公的年金については極めて重要なので、本シリーズでも別の機会に詳述しますが、ぜひいろいろと調べてみて下さい。

現役時代の自宅確保が「老後の保険」になる理由

現役時代に借家に住むか自宅に住むかは、議論のあるところです。筆者は自宅派ですが、その主な理由は、老後は自宅に住むべきであるため、現役時代から自宅を確保しておくべきだからです。

 

ちなみに、自宅を購入する際の住宅ローンは、変動金利ではなく固定金利で借りましょう。これも、インフレが来て金融が引き締められて金利が高騰してしまうリスクに対する保険だと考えましょう。

 

老後は借家ではなく自宅に住むべき理由は、「それが保険だから」です。老後のリスクは、長生きしているあいだにインフレが来て生活費が嵩み、老後の蓄えが底を突いてしまうことですが、老後に借家住まいをすると家賃を支払う必要があるので、このリスクが増幅されてしまうのです。

 

長生きすれば家賃も長く払い続ける必要がありますし、そのあいだにインフレが来れば家賃も値上がりしていくでしょうから。つまり、老後に自宅で暮らすことは、長生きしているあいだにインフレが来て、値上がりした家賃を長期間払い続けなければならないリスクを避けることになるわけです。

 

酷い目に遭わないという意味では、高齢単身者に家を貸すのを嫌がる大家が多いということも考慮する必要があるでしょう。老後に住み替えが必要になった際、家を貸してくれる大家が見つからなかったら大変ですから。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と無関係に個人として行なっているものであるため、現職欄には経済評論家と記すものである。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載老後資金の不安を解消!経済評論家・塚崎公義氏の「資産管理・資産形成術」

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