投資商品「なんかよさそう!」イメージ買いすると大損する理由 ※写真はイメージです/PIXTA

投資に関心を持つ人が増えてきました。しかし、投資商品の購入の際、絶対に忘れてはならないことがあります。それは「理解できないものには投資しない」ということです。しくみが理解できなければ、儲かるしくみもリスクの度合いもわかりませんし、売り手側に多額の手数料を上乗せされても気づくことができません。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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投資商品はリターンがすべて、複雑化させる必要はない

レストランで料理を楽しむのは、素材の栄養素を体内に取り込むことが目的ではなく、シェフの味付けを楽しむことが主目的でしょう。そうであれば、素材と調味料を別々に提供されたのでは意味がありません。

 

しかし投資商品は、最終的なリターンが問題なのですから、個々の投資商品を組み合わせた複雑な商品を購入しても、個々の商品を別々に購入しても、結果は同じはずです。そうであれば、素材を別々に購入すべきでしょう。

 

なぜなら、素材を組み合わせるシェフの人件費が不要になるだけでなく、素材と調味料を別々に買うことで自分に必要か否かを個々に判断でき、そして、それぞれの価格を市場価格と比較して高すぎないか否かを容易にチェックできるからなのです。

商品が理解できないから、業者に足元を見られてしまう

「株式に投資しますが、株価が暴落しても元本の8割は保証します」という投資信託があったとします。「株式投資は損が怖いから手を出しにくいけれども、この投資信託なら損が限定されているから購入しよう」と考える読者がいるかもしれません。しかし、筆者としてはお勧めできません。

 

筆者なら、投資予定額の2割だけ普通の株式投資信託を購入し、残り8割は銀行預金にします。そうすれば、投信の購入手数料等々が10分の2で済むからです。

 

まあ、実際にはそこまで保守的ではなく、5割と5割といった資金配分にすると思います。複数の銘柄を持てば、全部の銘柄の株価がゼロになることはないでしょうから。しかし、それでも手数料の大幅な節約になるでしょう。

 

考えてみましょう。この商品を運用しているプロは、なぜ元本の8割が保証できるのでしょうか。可能性のひとつは、預かった資金の5割は預金にして、5割だけ運用している、という場合ですが、それならば上記のように自分で5割と5割に資金配分すればいいだけのことですね。

 

プロとしては、万が一株価が本格的に暴落した場合には損をする可能性が皆無ではありませんが、そのリスクを十分補えるだけの手数料収入が「預金で運用する5割部分」から得られるでしょうから。

 

もうひとつは、プロが「株式暴落保険」に加入している、という可能性です。プットオプションと呼ばれる金融商品があり、しくみは数式の塊のような複雑なものなのですが、「株価が一定以上に暴落したら、暴落分を保険金として支払う」という保険だと理解して下さい。

 

この保険は、零細な投資初心者は加入できないので、どうしても保険に加入したいのであれば、プロが加入している投資信託を購入することによって投資信託と保険をセットで購入するしかありませんが、それはお勧めできません。

 

読者は、この保険の「保険料」を知らないでしょうから、プロが保険料に何円上乗せして読者に請求しているかも当然知らないでしょう。そうした場合、運用するプロとしては、大幅に上乗せして請求するインセンティブを持つはずです。

 

保険料が安いということは、株価が暴落するリスクは実は小さいということです。それなのに、読者がいたずらに暴落リスクに怯えて「保険料は高くても保険に加入したい」と考えているから、足元を見られているのだ、と理解しましょう。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と無関係に個人として行なっているものであるため、現職欄には経済評論家と記すものである。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載老後資金の不安を解消!経済評論家・塚崎公義氏の「資産管理・資産形成術」

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