(画像はイメージです/PIXTA)

認知症を患い、施設に入所していた父が亡くなり、相続手続きを進めていると、半年前に再婚していたことが発覚。父亡き後、本人の意思は確かめようがありませんが、状況から見て、遺族である子どもたちは大いに疑念を抱いています。果たして父親の婚姻を無効にすることはできるのでしょうか。長年にわたり相続案件を幅広く扱ってきた、高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が解説します。

最高裁は「婚姻当事者以外でも提訴可能」と判断

さて次に、婚姻届が偽造だったり、親が婚姻届を書いた当時に認知症等で判断能力がなかったりしたことが明らかになった場合、婚姻無効を本人である親以外が裁判で主張できるのでしょうか。

 

過去にこの点を争った裁判があり、最高裁は、婚姻無効確認訴訟は、婚姻当事者だけでなく、訴訟を起こす利益がある限り、婚姻当事者以外の第三者も提起することができると判断しました。

 

ここで、親が亡くなっていても、相続人は、親の婚姻が有効か無効かで、相続分の割合が異なってきますので、婚姻を無効と主張することに利益があることとなります。

 

したがって、XさんとY子さんは、Aさんの相続人として婚姻無効確認訴訟を起こすことができます。

 

よって、正解は①となります。

 

婚姻届を偽造されて勝手に出されたり、認知症で判断能力がないのに婚姻届を書かされたりした場合は、婚姻は無効ですが、親が相手から調子よくいいくるめられ、その気になって書かされてしまったような場合は、婚姻は有効となってしまいます。

 

親のことなので、子どもができることは少ないですが、注意は必要です。

 

 

高島 秀行
高島総合法律事務所
代表弁護士

 

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