唖然!ケアプランを作らない、やる気がない「ケアマネ」のナゾ

相沢 光一
唖然!ケアプランを作らない、やる気がない「ケアマネ」のナゾ
(※画像はイメージです/PIXTA)

ケアマネは担当する30人前後の利用者を平等に目配りすることは難しく、利用者によって差が出てくるという。 ※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

ケアプランをつくろうとしないケアマネって?

介護は、ケアマネがケアプランを作成するところからスタートします。

 

提供するサービスに利用者が満足し、心身の状態を改善させて自立につながるか、また、介護者の負担を軽減できるかはケアプランしだい。ケアプラン作成はケアマネにとってもっとも大事な仕事といえるでしょう。

 

ところが、そのケアプランをつくらなかったケアマネがいるというのです。

 

証言してくれたのは、訪問入浴事業を運営する衛藤さん(50代・男性)です。

 

「私が訪問入浴の事業所を立ち上げたのは10年ほど前。数多くのケアマネに会ってきましたが、そのなかでケアプランをつくらなかったのはひとりですから、非常にレアなケースかもしれません。ただ、そんなひどいケアマネも現実にはいるんです」

 

衛藤さんが、そのケアマネ山本さん(40代・女性)と仕事をしたのは4年ほど前だといいます。

 

「利用者さんは80代半なかばの男性でした。ウチがサービスに入ったのは、その方が要介護になられて1年近く過ぎてから。当初はご家族のサポートがあれば、自宅のお風呂に入ることができたそうですが、それがだんだん難しくなって、ウチが入ることになりました。だから、山本さんもケアを開始する前のサービス担当者会議のときは、ケアプランをつくったかもしれません。

 

でも、ケアプランを見直したり、新たなサービスを入れたときは、つくりなおしてサービス事業者に渡すのが決まりになっているわけです。ウチの訪問入浴がサービスに組みこまれたんですから、当然、そのケアプランが来ると思いました。しかし、いくら待っても渡してくれないし、催促しても無視される。おそらくつくっていなかったんでしょう」

 

介護サービスは国が管理する介護保険料を使って行なわれるものであり、行政はどんな内容のサービスが提供されているかや、たしかに実施されているかを把握あくしなければなりません。それを示す資料となるのがケアプランです。

 

サービス事業者は各々、行政サイドにケアマネから渡されたケアプランを提出して、サービスを提供していることを証明しなければなりません。

 

「だから、ないでは済まされないんです。ほかの事業者さんも困ったと思いますよ。当初は忙しくて作成する時間がとれないのか、とも思いました。役所の担当者から催促があっても、ケアマネのことはいわず、『もう少し待ってください』といいました」

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介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

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