(※写真はイメージです/PIXTA)

経済のグローバル化に伴い、国際金融の重要性が急激に高まっています。国際金融取引には必ず為替変動リスクが伴うという意味では、「外国為替取引」は国際金融の代表格と言えるでしょう。国内金融取引だけでは対応できない時代だからこそ押さえておきたい、外国為替取引の種類やリスクヘッジの方法を解説します。※本連載は、大村博氏の著書『Q&Aでサクサクわかる金融の世界』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

為替変動リスクは「為替予約」で防御

<解説3>為替リスクのヘッジ

為替リスク、つまり為替変動リスクは、海外取引の決済通貨が外国の通貨である場合、その通貨を日本円に交換する時に生じます。したがって、輸出で得た外国の通貨を日本円に交換せずに、いったん外貨預金口座に入金し後日輸入の決済に使う、あるいは海外取引の決済通貨を日本円にしておけば、日本側の為替リスクはなくなります。

 

しかし、外貨のまま使用する方法では、輸出と輸入の金額が釣り合わないとうまくいきません。また、円建ての取引では外国側に為替リスクが生じることになるので、日本側の立場が強くない限り、商談がまとまらない可能性が高まります。そこで、為替リスクを避けるためによく利用されるのが、為替予約(先物予約または単に予約)です。これは、将来、輸出入の取引があり、その金額や決済の時期が分かっている場合、銀行とあらかじめ為替相場を取決めておく方法です。

 

上記のほか、法律、慣習、言語などの違いによってトラブルとなるリスクをヘッジする制度として、信用状統一規則や取立統一規則、インコタームズなどの国際ルールが整備されています。それでも解決できない場合は、裁判や仲裁によって決着することになりますが、そうしたケースに備えて、前もって契約書に「裁判や仲裁は、すべて日本の法律に基づき、日本で行う」旨の条項を入れると有利になります。

 

 

大村 博

FXソリューションズ代表、外国為替コンサルタント

 

 

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