東南アジアの経済成長は目覚ましく、現地のスタートアップ企業も大変なポテンシャルを秘めています。興味深いのは、いずれの国も企業が乗り越えるべき課題や問題を抱え、それがユニークな投資環境を生み出しているという点です。3つの企業を取り上げながら投資状況を見ていきます。本記事は、東南アジアの先駆的なベンチャーキャピタル、Golden Gate Venturesによる書下ろしレポートです。

豊富なスタートアップ企業と投資機会の存在

ASEAN地域では、投資家が気をつけなければならない制限や注意点がいくつかあります。

 

第一に、国境を超えるビジネスを構築し、文化、言語、商慣習の異なるチームを管理することの難しさです。またASEANは、EU、そして米国・中国の域内市場のように、統一された自由貿易協定が結ばれている地域ではありません。その代わり、国内での成長に加えて、国をまたいで複数の地域で同時の展開が可能なビジネスモデルが求められます。

 

企業を評価する際には、対象となる国がどのような発展の曲線を描いているかを意識することが重要です。例えばシンガポールではうまくいっても、お金をかけられない、使ってもらえない地域ではうまくいかないかもしれませんし、その逆もありえます。

 

それでも幸いなことに、消費者文化の違いは大きな問題ではなく、テクノロジーは無限に適応可能であると証明されています。

 

ASEAN諸国における投資機会は、ビジネスやインフラ制度がまだ発展途上であること、新しい企業が求める最先端ソリューションの提供が可能な「フロンティア」の側面を持つこと、そして、革新的なスタートアップ企業に優しい規制環境を持つ国であること、これらに注目して探すことが重要です。

 

Golden Gate Venturesでは、「台頭する消費者階級のもと、成長を促進させるために投資する」という理念は創業時の2011年から変わっていません。2000年代初頭の中国のベンチャー企業とよく似たものです。

 

上述したとおり、スタートアップ企業と投資家の双方において、言語や文化、商習慣の違い、自由貿易協定のようなルールの不在といった、解決・対応すべき複数の課題があり、それらは欧米や中国を中心とした世界的な投資家から見れば、大きな参入障壁であることに違いありません。そのため、東南アジアという比較的近隣の地域からすれば、豊富なスタートアップ企業と投資機会が多く内在しているといえるでしょう。

 

 

Golden Gates Ventures パートナー
ヴィニー ローリア 

 

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