銀座の天ぷら職人が、跡取り息子に「何も教えない」深い理由

教えられること、教えられないこと。それらの違いは何でしょうか? 天ぷら屋の大将は息子に何も教えないと言います。一方で、ビビる大木さんは後輩芸人に教えることの大切さを語ります。それぞれに一体どんな違いがあるのか、歴史好き芸人として知られるビビる大木さんが解説します。※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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「俺はモテたいから、天ぷら屋をしてるんだよ」

■水の流れのような一流の技は、教えられるものではない

 

大将自身のことも聞いてみました。

 

「お客さんのおいしかったなとか、また来ちゃったよとか、親父さんのモチベーションと言うか、報酬と言いますか、それは何ですか?」

 

「違うよ、俺のこと全然わかってないよ。俺はモテたいから、天ぷら屋をしてるんだよ。別に、おまえにうまく食ってほしいなんて思っていないよ。モテたいの、俺は」

 

大将の何かぶっきらぼうだけれど、その気風のよさに魅かれて大勢のお客様が通っていることがわかりました。さすがに、モテたいというだけあって、様子もカッコいいわけです。しかも、大将が揚げる天ぷらの味はメチャクチャおいしいのです。

 

「同じ油、同じ食材であっても、息子さんが揚げると違うんですか?」と僕が聞くと、「息子のは食えないよ、天ぷら以前だよ」。で、実際、揚げていただき、食べてみると、味が違う別物になっていました。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

不思議なもので、一流の方の仕事ぶりを見せてもらうと、仕事が水のようでした。美しく流れるのです。大将が言うように、教えられないものだと思いました。奪わないとこの味は出せないと感じます。

 

教えてもらうだけが仕事じゃない。ときには、そういう高い壁がないと人は成長しないのではないでしょうか。息子さんは、悪びれず飄々とその高い壁を越えるべく精進している様子でした。目の前の壁がどんなに高くとも、彼ならば乗り越えていくという確信を感じました。

 

2代目には、2代目としての闘いと戦いがあることも知りました。その壁に並んでもダメで、壁を越えないと越える味にならないと思いました。一番厳しい育て方です。

 

僕たちも、ご指名があって初めてお給金をいただけるのです。結局、「おまえの味が忘れられないよ」と呼んでもらえるのと同じだと思います。

 

 

ワタナベエンターテインメント 芸人

1974年9月29日生まれ。埼玉県春日部市出身。1995年、渡辺プロダクションに所属し、コンビ「ビビる」を結成。2002年にコンビ解散、以後ピン芸人としてマルチに活躍中。

現在、テレビ東京「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」、テレビ東京「家、ついて行ってイイですか?」、中京テレビ「前略、大とくさん」でMCを務める。

趣味は幕末史跡めぐり。ジョン万次郎資料館名誉館長、春日部親善大使、埼玉応援団、萩ふるさと大使、高知県観光特使など、さまざまな観光・親善大使を務める。

【主な著書】
『覚えておきたい幕末・維新の100人+1』(本間康司・ビビる大木著、清水書院)
『知る見るビビる』(ビビる大木著、角川マガジンズ)

著者紹介

連載ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる 大木

プレジデント社

歴史好き芸人・ビビる大木が、 同郷の偉人・渋沢栄一の遺した言葉を紐解く! 「はじめまして、こんばんみ! 大物先輩芸人と大勢の後輩芸人の狭間で揺れる40代『お笑い中間管理職』の僕。芸人としてこれからどうやって生き…

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