「固定資産税の過大徴収」が起きやすい土地・家屋の特徴【税理士が解説】

「固定資産税の過大徴収」が起きやすい土地・家屋の特徴【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

マイホームや投資用不動産を持っている人には馴染みの深い固定資産税ですが、年間キャッシュフローが大きいわりにあまり見直す機会がないので、トラブルが頻発しています。本記事では、税理士法人グランサーズの共同代表である黒瀧泰介税理士が、固定資産税の基礎知識と過大徴収されやすい固定資産の特徴を紹介します。

固定資産税の課税誤りが起きやすい5つの条件

課税誤りは、大きく分けて次の5つのケースで多く発生します。

 

1.住宅用地の認定漏れ
2.非課税適用の確認漏れ
3.建物構造を間違えての判定
4.建物と償却資産の取り違えや重課税
5.建物の滅失漏れ

 

今回は、このなかでも特によく起きやすい1と5のケースについて詳しく説明します。

 

■1.住宅用地の認定漏れ

 

不動産のなかでも、固定資産税の払い過ぎが起こる可能性が高いのは、「賃貸用住宅の敷地」「社員寮などの事業用地」「駐車場」などです。

 

例えば、月極駐車場だった場所に賃貸用住宅を建てたような場合に以前の標準税率のままで算出された結果、住宅用地軽減特例が適用されないことで、固定資産税を払い過ぎが起きているといった場合があります。

 

また、従業員を多く有する会社が社員寮を持っているケースも要注意です。社員寮のある土地自体は事業用敷地であっても、住居用の敷地で使用されていれば、住宅用地特例は適用されます。しかし、申請がもれていることで、適用されていないケースなどもありました。

 

■5.建物の滅失漏れ

 

工場や倉庫など敷地内に色々な建物がある場合、すでに取り壊したにもかかわらず、滅失申請がもれていることで、課税され続けている場合もあります。

 

また、事業用敷地に限らず、個人の自宅敷地内でも同様に、建て替えなどによってすでに存在しない建物に課税され続けていることもありました。

 

ただし、このパターンの場合が逆のケースもあるので気を付けてください。敷地内に新たな建物ができていたが、役所側で把握していなかったケースです。

 

減額するために役所に問い合わせをしたことで、反対に課税もれの新たな物件が見つかってしまい、徴収もれを指摘されて追加で納税しなければならなくなることもありえますのでご注意ください。

固定資産税については資産保全のために必ず確認しよう

大都市圏や地方主要都市では毎年チェックをするようになって誤りが減少傾向にありますが、いまだゼロにはなっていません。また、相談者様を見ていると地方の中堅都市に多少広めの土地を持っていて、事業用と住居用など複合的な使い方をしているものなどに課税誤りが発覚するケースが増えています。

 

また、前半にご紹介した令和3年度の新型コロナウイルス対策の一環として、仮に地価が上昇していたとしても、宅地や農地の固定資産税額が前年度を超えないような措置があるなかで、課税標準や税額が前年度を上回っていれば、課税誤りの可能性が高いので注意が必要です。

 

これからは、ご自身の財産保全はご自身で勉強して防いでいかなければ、今後も課税が続いてしまい、大事な財産が減少していきます。ご自身の固定資産税について疑問に思った方は一度税理士に相談してみることをおすすめします。

 

 

黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表 公認会計士・税理士

 

 

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