日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「福岡県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
福岡県の会社員「平均年収443万円」で全国24位…「日本のちょうど真ん中」の暮らしぶり ※画像はイメージです/PIXTA

日本一の人口増加数を誇る「福岡市」だが、会社員平均年収は県下2位

総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると、福岡県の人口は513万8891で、5年前の調査と比べて3万7335人、割合にして0.73%の人口増。一方で世帯数は231万6011世帯で、前回調査から11万4974世帯、割合にして5.22%増となりました

 

県庁所在地である「福岡市」は、横浜、大阪、名古屋、札幌に次ぐ、日本で5番目の人口規模を誇る市。人口は160万人を超え、人口増加数は全国一(東京特別区を入れると2位)。そんな福岡県の給与事情を見ていきましょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、福岡県の会社員の月収(所定内給与)は28万2900円で、推定年収(きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出)は443万6000円。47都道府県のなかでは第24位と、ちょうど日本の中間に位置します。

 

男女別にみると、男性会社員の月収31万6600円、推定年収は508万2000円。女性会社員の月収は23万2500円で、推定年収は347万2000円です。年齢による男性会社員の平均年収の推移を見ていくと、年齢と共に年収はぐんぐん上がっていき、40代後半で600万円を超え、50代前半で648万2000円とピークに達します。

 

【福岡県の「男性会社員」の年収推移】

「20~24歳」 321万8000円(309万3000円)

「25~29歳」 388万2000円(366万7000円)

「30~34歳」 445万6000円(404万9000円)

「35~39歳」 502万8000円(443万8000円)

「40~44歳」 554万1000円(486万7000円)

「45~49歳」 600万9000円(511万9000円)

「50~54歳」 648万2000円(534万6000円)

「55~59歳」 614万9000円(515万2000円)

「60~64歳」 444万2000円(400万6000円)

「65~69歳」 365万5000円(329万8000円)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より作成

(かっこ)内金額は男女計

 

さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調」で、市町村別の年収事情を見ていきます。1位は県庁所在地である福岡市の東に位置する新宮町で357万5741円。2010年代に新設されたJR「新宮中央」駅周辺で宅地開発が進み、郊外型の大型家具店やホームセンターが多数立地。特にファミリー層からの支持が増えている地域です(関連記事:『【2021年】福岡県・市町村別「平均年収」ランキング』)。

 

僅差で第2位になったのが、「福岡市」。「新宮町」とはわずか1万5000円強ほどの差の356万0072円でした。