(※写真はイメージです/PIXTA)

マンション総会とは、マンションの区分所有者が集い、収支予算や今後のマンション運営方針、大規模修繕の時期や予算などの重要な事項の意思決定を下す会です。どのようにマンション総会は開催されるのでしょうか。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

長いマンション総会防止に「タイムキーパー」?

総会の時間がダラダラと延びてしまうケースもよくあります。時間が予想以上にかかってしまい、出席者がひとり減り、ふたり減り会場から姿を消してゆく光景を目にした経験もあるでしょう。

 

「長い総会」を効率よくするためには「タイムキーパー」として時間管理を行う担当役員を置く管理組合もあります。長引く総会を効率よく進行させる場合には、この役割が重要になってきます。

 

タイムキーパーは、理事会で予め決めた時間に沿って、時間を告知し会議を円滑に進めます。この「時間の告知」が会議では重要になり、時間の告知を行う事で参加者の集中力をアップさせることや、会議とは関係のない質疑等を防ぐことが可能になります。タイムキーパーがいることで議長は時間を気にしないで総会の議事進行に集中できるというメリットもあります。

 

■標準管理規約と異なる総会の開催日

 

区分所有法などの法律の規定に関して、そのマンションの管理規約に明記された規約が優先される任意規定と、区分所有法などの法律の規定に関してそのマンションの管理規約で別に定めることができない強行規定があります。

 

通常総会の開催日や通常総会の招集通知に理規約と違っていても問題ありません。しかしながら、通常総会の出席率を上げるためには、招集通知に先立ち、総会の開催の日時や場所が決まってからなるべく早い時期に、区分所有者のスケージュール確保のため総会の開催予告を行うことが望まれます。

 

「開催予告の目的からすれば、予告の内容として不可欠な事項は「開催日時」です。また、場所も示すべきでしょう。通常総会の開催予告は、法令や標準管理規約に定めはありませんが管理組合運営上の工夫として広く行われています。

 

なお、予告の方法についても法令などの定めはないので、掲示、広報誌への掲載等も含めて、管理組合の実情に応じ、より合理的かつ効果的な方法を採用すべきです。臨時総会も可能な限り予告しましょう。」(マンション管理標準指針より抜粋)

 

注)任意規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合に、その合意のほうが優先される。(規約で別段の定めができる。)

 

強行規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合であっても、その合意よりも優先される法律の規定をいう。(規約で別段の定めができない。)

 

松本 洋
松本マンション管理士事務所 代表

 

 

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