米8月雇用統計「ネガティブ・サプライズ」でも、米ドル下落は限定的と言えるワケ

9/7~9/13の「FX投資戦略ポイント」

米8月雇用統計「ネガティブ・サプライズ」でも、米ドル下落は限定的と言えるワケ
(※画像はイメージです/PIXTA)

米8月雇用統計の結果が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)が「ネガティブ・サプライズ」となったことから、テーパリング観測が後退し、米ドルは全面安となっています。今回は、FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が、米ドルの今後の展開について考察していきます。

「米ドル/円」長期トレンドにおける現在の立ち位置

改めて米ドル/円の長期トレンドにおける現在の立ち位置について、52週MAとの関係で確認してみましょう。

 

米ドル/円は52週MAを長く上回る状況が続いており、過去の経験からすると、一時的ではなく、継続的なトレンドとして展開している可能性が強いことを示しています(図表5参照)。そうであれば、トレンドと逆行する一時的な下落は、足元で107円程度の52週MA前後までがせいぜいというのが基本になります。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表5]米ドル/円と52週MA (2000年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

ユーロ/米ドルは10週連続で52週MAを下回る結果に

さて、先週は米ドル/円以上に、対ユーロや豪ドルに対して米ドル安が大きく進みました。では、そんなユーロ高・米ドル安、豪ドル高・米ドル安の見通しについても、米ドル/円と同様に、52週MAとの関係から確認してみましょう。

 

ユーロ/米ドルは先週まで10週連続で52週MAを下回りました(図表6参照)。このように長く52週MAを下回る動きは、経験的には一時的ではなく、継続的なトレンドとして展開している可能性が高いといえます。そうであれば、トレンドと逆行する一時的な上昇は足元で1.195米ドル程度の52週MAを長く、大きく上回らない程度にとどまる可能性が高いでしょう。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表6]ユーロ/米ドルと52週MA (2000年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

豪ドル/米ドルも下落トレンド展開中

豪ドル/米ドルも、先週までに52週MAを9週連続といった具合に長く下回りました(図表7参照)。その意味では、すでに見たユーロ/米ドルと同じで、「豪ドル/米ドル下落トレンド」が展開しており、それと逆行する上昇は、足元で0.75米ドル程度の52週MAを長く、大きく上回らない程度にとどまる可能性が高いと考えられます。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表7]豪ドル/米ドルと52週MA (2005年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

 

吉田恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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