(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年に向けて、不動産に関わる様々な法改正が進められています。その代表的なものといえば、生産緑地制度、インボイス制度、税制改正による海外不動産にかかわる経費計上の変更でしょう。これらが今後の不動産投資活動にどのような影響を与えるのか、その予測とともに、それぞれの法改正ポイントを解説します。

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    海外投資に後ろ向きな税制改革

     

    海外不動産の確定申告に異変あり

    2021年度分の確定申告から、海外不動産にかかわる経費に新たな制約が加わります。それは、海外にある投資用不動産を購入して経費計上する際、当該建物の減価償却費については経費の対象外となることです。

     

    海外、とくに東南アジア諸国の投資用不動産は日本と比較して価格が安く高利回りが期待できるため、多くの不動産投資家の間で頻繁に取引されてきました。しかし今回の税制改正によって、その人気にも陰りが見え始めています。

     

    さらに昨今のコロナ禍も相まって海外不動産投資は迷走しています。これから海外不動産投資にチャレンジしようと考えていた人や、すでに海外不動産を所有している投資家は、今後どのように対処すればいいのでしょうか?

    節税効果以外にも旨味はある

    マレーシアやフィリピンといった東南アジア諸国の土地は割安で、不動産売買価格の大半を建物が占める形となるため、建物の減価償却による節税効果は絶大…というのがこれまでの定説でした。そのため、減価償却費が経費として認められなくなることは海外不動産投資家にとって大きなダメージとなります。

     

    だからといって、海外不動産投資が大赤字になる訳ではありません。減価償却以外にも、建物のリフォームや室内設備の修理・交換などといった維持・修繕費については以前と変わらず経費計上できます。加えて、日本に住むオーナーの代わりに賃貸管理を代行する地元不動産業者へ支払う業務委託費も必要経費として認められています。

     

    これら経費計上による節税効果のほかにも、海外不動産投資ならではの旨味があります。それは「為替差益」です。例えば、不動産購入時のレートが1ドル100円だったとして、数年後の売却時に1ドル110円と円安になっていたとしたら、購入時1,000万円だった不動産の価格評価は1,100万円となり、差し引き100万円の売却益が得られることになります。

     

    このように、海外不動産投資には減価償却による節税効果以外にもさまざまな旨味があるのです。

    まとめ

    今後の不動産投資に影響を及ぼすであろう3つの事案ですが、いずれも具体的な動きとなるのは来年2022年以降です。とはいえ、実施に先駆けて概要を把握しておけば、適切な回避策を打つこともできるでしょう。

     

    「書類手続きが煩瑣だから諦めよう」「儲からなくなりそうだから売却しよう」など、悲観して切り捨てることは簡単ですが、そういったところにこそ、ビジネス・チャンスが潜んでいるということも、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

     

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    ※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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