(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年に向けて、不動産に関わる様々な法改正が進められています。その代表的なものといえば、生産緑地制度、インボイス制度、税制改正による海外不動産にかかわる経費計上の変更でしょう。これらが今後の不動産投資活動にどのような影響を与えるのか、その予測とともに、それぞれの法改正ポイントを解説します。

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    消費税率・額の明示を義務付ける「インボイス制度」

     

    消費税率・額の明示を義務化

    「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」とは、事業者が取引先に対して、消費税率・消費税額などを明示した書類、またはデータの交付・保存を義務付けるもので、2023年10月にスタート予定です。現在の基本的な消費税率は10%ですが、食品など一部商品には軽減税率8%が適用されています。そういった商品毎の税率と価格を「適格証明書」で明示することが義務付けられるようになるのです。

     

    適格証明書は、消費税の確定申告をしている課税事業者であれば発行できますが、売上高1,000万円未満の個人事業主や免税事業者は原則発行できません。インボイス制度を順守するためには、取引相手からの適格証明書授受が必須となるため、課税事業者は、適格証明書が発行できない個人事業主や免税事業者との取引を避ける、継続中の取引も打ち切らざるを得なくなります。

    益税効果を奪われる個人・免税事業者

    インボイス制度の導入は不動産投資にも少なからず影響があります。消費税の課税対象となる事務所・倉庫・駐車場等の賃貸物件を運用している場合、オーナーが売上高1,000万円未満の個人事業主や免税事業者であっても適格証明書の発行が求められます。

     

    現段階で適格証明書が発行できないオーナーは、所轄の税務署へ「消費税課税事業者選択届」を提出すると発行できるようになります。しかし、それと同時に課税事業者とみなされるため、以降は消費税の確定申告が必要となります。これまでまるまる収益となっていた消費税も、すべてお上に献上しなければならなくなります。

     

    免税事業者のままでいても罪にはなりませんが、課税事業者との取引が減る、制度に詳しい賃借人から消費税分の値引き交渉される可能性があるなど、ある程度の折衝や減収は覚悟する必要がありそうです。

     

     

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    ※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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