(※写真はイメージです/PIXTA)

古いアパートの住人と家主の間には、家賃滞納、立ち退き交渉といったトラブルが残念ながらつきものです。ここでは、「お金があるのに家賃を払わない」高齢者について、OAG司法書士法人代表・太田垣章子氏が解説します。 ※本記事は、書籍『老後に住める家がない!』(ポプラ社)より一部を抜粋・編集したものです。

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    年金もあるはずだが…家賃滞納額200万円の83歳男性

    先代の家主の時代から、建物の古さで取り壊しの話が何度かありました。相続で引き継いだ家主は、建物の現状から危機感を覚え、重い腰を上げたのです。ところが話が進まない間に家主が認知症になり、入退院を繰り返していたために、この建物のことが後回しになってしまっていました。

     

    物件があまりにも古いため、他の入居者は退去していきました。唯一残っている杉山二郎さん(83歳)は、70代後半から目を患い現在薄らとしか見えていない状態です。この部屋には新築当初から住んでいるため、玄関から何歩で何がある、見なくてもすべてを把握しています。そのために転居はできないと住み続けています。

     

    二郎さんはこの部屋で社会人生活をスタートさせ、生涯独身、定年まで勤め上げました。退職金もそれなりにもらったはずです。企業年金だってあるはずです。今まで滞納なんて一度もありません。それなのにこの3年ほど、5万円の家賃を払っていませんでした。家主も父親の入退院で、気が付かなかったのですが、滞納額は200万円近くになっています。

     

    収入はあるのに、家賃を払わない。それは「お金に執着」し始めたからでしょうか。それとも若いときからギャンブルか何かで、貯金をせずに使ってしまっていたのでしょうか。ただ少なくとも年金があるはずなのに、家賃が払われていないという状況であることは確かです。

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    老後に住める家がない!

    老後に住める家がない!

    太田垣 章子

    ポプラ社

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