(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、コロナ禍の現在、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。延滞が半年ほど続くと、家は競売にかけられることに…。強制退去にいたるまでの流れについて、クラッチ不動産株式会社代表取締役の井上悠一氏が解説します。

恐しい…「誰の家かすぐに分かってしまう」記載が

「BIT」にはどんな記載があるかというと、所在地、間取り図や外観写真だけでなく、室内の様子を撮影したカラー写真も掲載され、「2年前に離婚した元妻が居住している」「猫を飼っている」「室内に物が散乱している」などの詳細な情報も記載されています。住所と外観写真が載っていますので、近隣住民や職場の同僚、友人・知人が見れば、誰の家かすぐに分かってしまいます。

 

BITには、裁判所の職員である執行官と不動産鑑定士が現地に赴いて調査した結果をまとめた「物件明細書」「評価書」「現況調査書」といういわゆる3点セットと呼ばれる報告書がそのまま掲載されます。

 

「物件明細書」には、オークションで買い受けた人が引き継ぐことになる賃借権や地上権などの情報や、物件に誰が居住しているかといった占有に関する情報、管理費の滞納があるなど買受に際しての注意点が記載されており、買受人にとって最も重要な書類となります。

 

「評価書」は、裁判所から任命された不動産鑑定士による物件の評価額と評価の過程が記載されています。

 

物件の評価額は、競売特有の事情(売主の協力が得られないこと、買受人は原則として物件内部へ自由に出入りできないこと、強制執行によるものでなければ物件の引き渡しが受けられないこと、雨漏りやシロアリによる柱の腐食、給水設備の故障など物件に欠陥があることがあとで分かった場合でも損害賠償を請求できないことなど)を考慮して、市場価格よりも3〜4割前後低い価格になることがほとんどです。

 

「現況調査書」には、物件の形状や占有関係、その他現況(太陽光パネルを設置している、ドアの下部にペット用の出入り口がある、障子が破れている、鍵の一つが壊れているなど)が記載され、所有者や居住者の話(所有者から賃貸して家族と一緒に住んでいるなど)や執行官の意見(建物内には生活用動産類はまったく存在しておらず、空き家の状態で使用していたものと思われるなど)が記載されています。

 

この現況調査書には物件の外観写真や間取り図のほか、室内写真も多数掲載されることになります。

 

 

井上 悠一

クラッチ不動産株式会社 代表取締役

 

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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