(※写真はイメージです/PIXTA)

情報通信技術の進化により、住む場所に関係なく仕事ができるようになりました。ビジネスパーソンにとっては「仕事の未来」を予測して行動するのも重要な生存戦略になるでしょう。ここでは今後「生き残れない仕事」について、アメリカの分析を見ていきます。※本記事は、谷本真由美氏の著書『日本人が知らない世界標準の働き方』(PHP研究所)より一部を抜粋・再編集したものです。

なぜタクシー運転手が「最悪の仕事」第1位なのか?

前出のランキングの2位の「木こり」は意外ですが、通信技術の発達や、グローバル化が、意外なところに影響を及ぼしています。

 

木材の需要は、出版や建設業界の先行きに左右されますが、通信技術の発達により、出版業界の景気が悪くなっており、紙の需要が減っているので、「木こり」の雇用が減っているのです。

 

さらに、技術革新により、建築業界で木材以外の材料を使うようになっています。技術革新は業務の効率を進めているので、以前よりも人が必要ではないのです。また技術革新も進んでいますが、事故のリスクが高くその割には収入が低いのです。

 

「風が吹けば桶屋(おけや)が儲かる」のたとえでは、風が吹くと砂埃(すなぼこり)のために目を病む人が多くなる…最終的に桶屋が儲かる、というふうになっていますが、グローバル時代においても、紙の本が売れなくなると、木こりが儲からなくなる、という連鎖が発生しているのです。

 

技術革新は、タクシー運転手の需要にも影響を及ぼしています。例えば、一般の人が、自家用車を使用して、他の消費者にタクシーサービスを提供することができるUberはその代表格です。サービスが合法な国であれば、自家用車と、スマートフォンのアプリさえあれば、見知らぬ人を車に乗せてお金を稼ぐことが可能です。値段も安いので、消費者はわざわざタクシーを頼もうと思わなくなってしまいます。

 

また、配達人はここ10年以内に、その求人数が激減する仕事だと考えられています。現在よりもさらに多くの郵便物がデジタル化されるので、手紙の配達需要は減ります。さらに、配達人の強敵はドローンです。受取人の住所さえ入力すれば、自動的に荷物を配送してくれるので、わざわざ人が届ける必要がありません。

 

ドローンによる配達は、すでに実用化されています。例えば2021年にはカリフォルニアのスタートアップであるZiplineがナイジェリアやルワンダの僻地(へきち)にコロナウイルスのワクチンをドローンで配送しています(※5)

 

※5 https://www.cnbc.com/2021/02/04/role-of-medicaldrones-in-global-covid-vaccine-campaign-is-growing.html

 

「CareerCast」のジョブ評価レポート 最高の仕事ランキング 2015
[図表2]これからの成長と収入が期待できる仕事① 「CareerCast」のジョブ評価レポート 最高の仕事ランキング 2015

 

数値 米国労働統計局 出所 http://www.careercast.com/sites/default/files/best-jobs-infograph.jpg
[図表3]これからの成長と収入が期待できる仕事② 数値 米国労働統計局
出所 http://www.careercast.com/sites/default/files/best-jobs-infograph.jpg

 

 

谷本 真由美

公認情報システム監査人(CISA)

 

 

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