後継者に重くのしかかる「贈与税と相続税」
次に、相続税と贈与税の問題です。
中小企業の事業承継で最も問題なのは、後継者が株式を取得する場合にその株は上場株式とは異なり換金性はないのに、贈与税や相続税がかかってしまうと言うことです。
経営承継円滑化法では、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている中小企業の株式等を贈与や相続等により取得した場合に、一定の要件のもと、贈与税や相続税の納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度で、実際上、贈与税や相続税を支払わなくてよいことは可能となっています。
特例措置と一般措置で、株式の全部が対象となるか3分の2までなのかなどの要件が異なります。
下記の比較表を参考にしてください。
これらの適用を受けるには経営承継円滑化法に定める都道府県知事の認定を受けるなど、いろいろな要件を満たす必要があるので、注意が必要です。
しかし、それらの要件を満たせば、最大の心配事である「相続税や贈与税を、事実上支払わなくてすむ」ことになるので、事業承継を考えている会社や経営者は適用を受けたほうがいいと思います。
最後に、今回の設問の選択肢は、①も②も正解となります。
高島 秀行
高島総合法律事務所
代表弁護士
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