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ヘッジ・ファンドのエマージング企業への投資スタイル
ヘッジ・ファンドによるエマージング企業への長期投資では、グローバルな産業セクターに分散投資することを前提に、事業ライフ・サイクルの初期段階にある株式に投資(ロング・ポジション)すると同時に、旧来の事業展開に依存する株式を空売り(ショート)する戦略をとる。
基本的には長期の成長株投資戦略であるため、ロング・サイドのポジションを多く持つロング・バイアスのロング/ショート戦略が望ましい。またロングとショートのポジション比率は、投資環境に対応して機動的に変更される。
株式の選択においては、企業の財務や技術力、経営戦略など、ファンダメンタルズに関する分析が鍵となる。これに加えて消費者やユーザーの行動など、産業構造の変化を把握した上で、投資するセクターを分散させることが、アルファ(超過収益)の追求とリスク管理にとって重要なファクターとなる。
ブラックロック・インベストメント・インスティチュートは、7月に発表した2021年の市場に影響を与える3つの投資テーマとして、次の3つを挙げている。
①ニューノミナル(経済活動再開・中期的インフレ上昇で欧州など主要国の景気敏感銘柄・地域に好機)
②一線を画す中国(新興国から切り離し投資先として選好)
③炭素排出ネットゼロへの道のり(グリーン経済への移行とインフラ再構築など)
また、有望な投資先として、ハイテク株式、欧州株式、物価連動国債、中国債券を推奨している。
髙橋 文行
池田 祐美
くにうみAI証券株式会社
オルタナティブ・インベストメントプロダクト部
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