(※写真はイメージです/PIXTA)

遺言書を作成した後に、相続人となるはずだった子どもが亡くなったら? 考えたくないことですが、問題のない遺言書を作成するは念には念を入れなければなりません。行政書士の山田和美氏が、乙田さんの遺言書を例に解説します。※本連載は、書籍『「きちんとした、もめない遺言書」の書き方・のこし方』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「後から書き換えればいいや」…認知症になったら?

この例でいえば、長男が亡くなった後に遺言者が遺言書を書き換える対応も可能です。しかし、現実問題として、子に先立たれた親が、自分の遺言書の書き換えのことまで気が回るかというと、そういうわけにもいかないでしょう。

 

そもそも、「長男が亡くなったので、特に何もしなくても自動的に孫に権利が移る」と誤解していたら、書き換える必要性にさえ気がつかない可能性もあります。

 

さらに言えば、長男が亡くなったときには遺言者は認知症を患っており、遺言書を書き直すことが難しくなってしまうリスクもあるわけです。

 

可能性が低いとはいえ、あらかじめ想定できることであれば、後々になって書き換えなくても対応できるように、「念には念を」の記載を入れておいてください。

 

遺言書はすぐに使う書類ではなく、作成後、年月が経過した後で初めて使用する書類です。問題のない遺言書を作成するには、将来起きる可能性のあることを想像し、対応しておくことがポイントなのです。

 

 

山田 和美

なごみ行政書士事務所・なごみ相続サポートセンター(愛知県東海市)所長

 

 

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残念な実例が教えてくれる 「きちんとした、もめない遺言書」の書き方・のこし方

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山田 和美

日本実業出版社

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