対円以外は「米ドル一段高」目立つ展開に…注目ポイントは「資金還流・資金流出」

8/24~8/30の「FX投資戦略ポイント」

対円以外は「米ドル一段高」目立つ展開に…注目ポイントは「資金還流・資金流出」
(※画像はイメージです/PIXTA)

先週の為替相場では、米ドル/円を除くと米ドル一段高の動きが目立ちました。一体なぜなのでしょうか。FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が解説します。

「南アフリカランド/円」は中長期的な割高圏にある

次に新興国通貨、南アフリカランド/円についてみてみましょう。先週はこの間の安値を大きく割り込む動きとなりました。背景にあるのは、南アフリカランドが対円でも対米ドルでも中長期的な割高圏にあり、これまで見てきた米金融緩和見直しに伴う米国への資金回帰では、南アフリカからの資金流出が拡大しやすいということでしょう。

 

図表4、5は、南アフリカランドについて、対円、対米ドルで5年MA(移動平均線)からのかい離率を見たものです。これを見ると、南アフリカランドは、2010年以降でみる限り、対円でも対米ドルでもかなり割高懸念の強い水準にありそうです。こういったなかでは、資金流出に伴う下落リスクに、引き続き注意が必要でしょう。

 

   出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表4]南アフリカランド/円の5年MAからのかい離率 (2010年~)出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表5]米ドル/南アランドの5年MAからのかい離率 (2010年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

先週の「米ドル/円」は米ドルの上値重い展開に

最後に米ドル/円についても確認しましょう。先週の米ドル/円は、週初は先々週末発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が、予想を大きく下回った「ネガティブ・サプライズ」を織り込むように109円割れ近くまで下落、その後一時110円台まで回復したものの、これまで見てきた通貨ペアとは異なり、総じて米ドルの上値重い展開となりました。

 

基本的には日米金利差と連動していたといえます(図表6参照)。この関係が今後も続くようなら、先週のような米ドル上値の重い展開が続くかどうかは、米金融緩和見直しをにらみながら、米金利がどのように動くかがカギを握ることになるのではないでしょうか。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表6]米ドル/円と日米金利差 (2021年7月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成


 

 

吉田恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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