(※画像はイメージです/PIXTA)

「仕事に対して前向きに取り組んでいる」と答える従業員は、全世界平均でわずか15%とだといいます。さらにヒドイことになっているのが日本で、その数わずか6%だという。いったい日本人に何が起きているのでしょうか。※本連載は山口周著『ビジネスの未来』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

「より豊かで自分らしい人生」を見つけられない

このような労働観が支配的になっている現在、私たちの「生」は実に世知辛い、レースのように殺伐としたものになってしまっています。これをこれからやってくる高原社会に持ち込むことはなんとしても避けなければなりません。

 

特に日本において問題だと思うのは「成功者のモデルイメージ」に多様性がなく、「成功」という概念の幅が極端に狭くなっているために、皆が一直線上に並んで序列の優劣を競い合うようなギスギスした状態になってしまっている、ということです。

 

私がここでいう「幅の狭い成功者のイメージ」とは、たとえば「有名大学を卒業してブランド企業に就職してバリバリ仕事をこなして年収を上げて都心の高級マンションに住んで高級外車を乗り回すようなセレブライフ」といったものですが、このようなイメージの実現に強迫的に捉われてしまうと、このイメージの実現に直接的に貢献しないと考えられる活動を全て「無駄」として切り捨ててしまい、結果的に本質的な意味で「より豊かで自分らしい人生」を見つける機会を逃してしまう可能性があります。
 

山口周
ライプニッツ 代表

 

 

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

山口 周

プレジデント社

ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか? 21世紀を生きる私たちの課せられた仕事は、過去のノスタルジーに引きずられて終了しつつある「経済成長」というゲームに不毛な延命・蘇生措置を施すことではない…

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