(※画像はイメージです/PIXTA)

「仕事に対して前向きに取り組んでいる」と答える従業員は、全世界平均でわずか15%とだといいます。さらにヒドイことになっているのが日本で、その数わずか6%だという。いったい日本人に何が起きているのでしょうか。※本連載は山口周著『ビジネスの未来』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

「興味のないことも、全部やりなさい」

■いろいろと試す

 

ここまで、すべての人が自分の喜怒哀楽に素直に向き合い、真に自分が夢中になれることに皆が仕事として取り組み、仕事そのものから得られる悦楽や面白さが報酬として回収されるという高原社会のビジョンを提案してきました。

 

さて、このような提案に対しては「そのような社会はたしかに素晴らしいけれども、実際に自分のことを振り返って考えてみると、そもそも自分が何に夢中になれるのか、よくわからない」という戸惑いの反応があると思います。

 

自分が夢中になれる仕事を見つけることができるのでしょうか。(※写真はイメージです/PIXTA)
自分が夢中になれる仕事を見つけることができるのでしょうか。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

たしかに、いくら幸福感受性が回復できたとしても、いまだやったことのないモノについて、自分が夢中になれるかどうか、を事前に察知することはできません。さて、どのようにすれば、自分が夢中になれる仕事を見つけることができるのでしょうか。

 

答えは一つしかありません。

 

とにかく、なんでもやってみる。

 

これに尽きます。友人である予防医学者の石川善樹さんは、ハーバード大学に留学していた際、あまりにも自分の興味範囲が広いために何からどのような優先順位で手をつけてよいかわからず、悩んだ挙句に指導教官だった教授に相談してみたところ、次のようにアドバイスされたそうです。

 

すなわち「興味のあることは、全部やりなさい。興味のないことも、全部やりなさい」と。実に強烈なアドバイスですが、これは即ち「とにかく、なんでもやってみなさい」ということです。

 

私たちは「いまを未来のために手段化する」というインストルメンタルな思考様式に浸かりきってしまっているので、寄り道をせずに最短距離でゴールを目指すのが「正しい人生のあり方」だと考えてしまいがちです。

 

しかし、そのような人生設計のもとに、無駄だと考えられる営みをすべて斥けて日々を積み重ねていけば、もしかしたら偶然に出合うことができたかもしれない「自分が本当に夢中になれる活動」に触れる機会もまた斥けてしまうことになります。

 

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