(※画像はイメージです/PIXTA)

一般的に、歯科医院に居心地の良さを感じる人は少ない。できれば通いたくないと、足を遠ざける人がほとんどだ。『立川デンタルクリニックすずき』の院長である鈴木博貴氏は、歯科医院をもっと快適に過ごせる場所にしていこうと考えた。人気のテーマパークやホテルからヒントを得たという、歯科医院を魅力的な場所に変えるためにおこなった“身近な取り組み”について紹介してもらう。

「院長気持ち悪い」と言われても

そうして、僕の「あたり前」は、「あたり前」ではなくなりました。スタッフのしてくれたことに、もっと感謝しよう。もっと沢山の「ありがとう」を伝えよう。1日に何回「ありがとう」を言ったか数えてみました。

 

最初は1日10回も言っていませんでした。しかし、意識をしていると「あ、今ありがとうって言うタイミングだったな」っていうのに気がついてきます。でも、なんか気恥ずかしくて今更ありがとうなんて言えない。という気持ちを抑え、勇気を持って「ありがとう」と言ってみました。

 

すると、スタッフはまるで、気持ちの悪いものを見たかのような目で僕を見てきました。きっと昼休みなど休憩室では「最近、院長私たちの機嫌を取ってきて気持ち悪いんだけどー」「ありがとうって言えば良いってもんじゃないよね。心がこもってないんだよねー」などと言われていたことでしょう。

 

それにもめげずに、「ありがとう」を言い続けました。何か器具を持ってきてくれたら「ありがとう」、患者さんを案内してくれたら「ありがとう」。すると、少しずつスタッフ達の態度が変わってきました。

マニュアルやルールよりも響く言葉

そしてついに「院長からありがとうって言ってもらえると嬉しいです」と直接言ってもらえるようになったのです。その頃には1日10回も言えなかったありがとうの回数も、多いときでは100回を超えるようになりました。

 

もう「ありがとう」という言葉を言わないと、何か言い忘れているような気がして気持ち悪く感じるようになってきました。

 

そのような人間関係になってくると、今まで継続していた接遇マナーセミナーや院内での勉強会でのスタッフの成長幅が急激に大きくなってきます。マニュアルや院内ルールとして決めても守られなかったサービスもどんどん定着していきました。スタッフの行動にイライラしながら働くことはなくなりました。

 

スタッフが患者さんに当院の提供しようと思っている医療、当院が大切にしている想いを伝えてくれることにより、当院のファン患者さんが多くなってきました。

 

そうなってくるとスタッフと患者さんの仲も良くなっていきます。院内でスタッフと患者さんが楽しそうにコミュニケーションを取る場面が増えてきました。

 

そして、ついに「あなたにメンテナンスして貰っているから安心できる。辞められたら行く歯医者なくなっちゃうから辞めないでね」という声を患者さんからもらえるようにまで、なってきました。

 

本当に素晴らしいスタッフ達に囲まれて仕事をさせてもらえる僕は幸せです。今では、僕は一番の彼女たちのファンです。

 

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