発達障害の子どもが癇癪を起こしてしまって話を聞いてくれない、と悩む保護者の方は少なくありません。本記事では、療育・児童発達支援スクール『コペル+(コペルプラス)』代表取締役の大坪信之氏が、発達障害の子どものコミュニケーション能力を育むための方法について解説します。

「そうだなぁ。Aちゃんよりもお母さんの方がいろんなことをよく知っているから、お母さんが『絶対』ダメだと言ったら、あきらめるというのはどうかな?」

 

「えーっ!? そしたら、お母さんがいつも『絶対』ダメって言ったら、私の言うこと何も聞いてもらえなくなっちゃうんじゃない?」

 

確かに、Aちゃんの言うことももっともです。今度はお母さんがアイデアを出します。

 

「それなら、ママは本当にどうしてもダメなときにしか『絶対』という言葉を使わないという約束にしようか」

 

「うーん、それならいいかな」

 

Aちゃんも納得しました。その様子を見て、お父さんが今日の話し合いの結果をノートにまとめ、読み上げます。

 

「人に自分の話を聞いてもらいたいときは、泣かないで自分の気持ちをちゃんと説明する。泣いてしまったら、その話はおしまい。ママが『絶対』という言葉を使ったら、Aちゃんは諦める。ママは本当にどうしてもダメなときにしか『絶対』という言葉を使わない。これでいいかな?」

 

Aちゃんもお母さんもすっきりした顔でうなずきました。そして、お父さん、お母さん、Aちゃんはノートにサインをし、今日決めたルールを守ることを約束しました。

 

これは5歳児とのやりとりをもとにしたモデルケースです。回数を重ねるごとに、幼児でもきちんと話し合いができるようになります。

 

話し合って家庭のルールを自分たちでつくることで、発達障害の子どもが社会に出たときに役立つコミュニケーションのルールを身につけることができます。また、話し合って決めたルールをお互いにきちんと守ることで、子どもに自分をコントロールする能力を教えることもできるのです。

 

 

大坪 信之

株式会社コペル 代表取締役

 

 

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    ※当記事は、2018年12月4日刊行の書籍『「発達障害」という個性 AI時代に輝く――突出した才能をもつ子どもたち』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    「発達障害」という個性 AI時代に輝く──突出した才能をもつ子どもたち

    「発達障害」という個性 AI時代に輝く──突出した才能をもつ子どもたち

    大坪 信之

    幻冬舎メディアコンサルティング

    近年増加している「発達障害」の子どもたち。 2007年から2017年の10年の間に、7.87倍にまで増加しています。 メディアによって身近な言葉になりつつも、まだ深く理解を得られたとは言い難く、彼らを取り巻く環境も改善した…

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