(※写真はイメージです/PIXTA)

リーマンショックが起きた当時、元興銀マンの堀内勉氏は森ビルの財務担当役員として、メガバンクや社債市場を相手、悪銭苦闘を繰り返していたという。みるみるうちに手元資金が枯渇していくのを目の当たりにして、恐怖と闘いながら資金繰りに奔走するなか脳裏をよぎったのは、1997年から98年にかけて襲った日本の金融危機だった。※本連載は、堀内 勉氏の著書『読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

森ビルの財務責任者として再び金融危機に直面

結局、完全に迷走していた金融業界が政府の介入によって少しずつ落ち着きを取り戻してきたタイミングで、私は興銀を辞めて、グローバル金融の総本山であるゴールドマン・サックス証券への転職を決意しました。金融の本質とはなにかを見極めながら、改めて自分の人生を振り返ってみることにしたのです。

 

そこで考えに考え抜いた上で、もう一度人生を一からやり直そうと考え、金融業界から身を引くことを決意しました。そして、実体がなく掴みどころのない金融業から、実体があり仕事の成果が最もよく目に見えるデベロッパーに転じることにしました。

 

これで少しは落ち着いて、長期的なビジョンに基づいた仕事ができると安心したのも束の間で、結局、ちょうど前回の金融危機から十年後に、森ビルの財務責任者として再び金融危機に直撃されることになったのです。

 

 

堀内 勉

多摩大学社会的投資研究所 教授・副所長

 

 

読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊

読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊

堀内 勉

日経BP

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