電子カルテ導入のメリット
◎チェック機能があるため、レセプト請求の精度が向上する
⇒返戻や過誤等の後処理にかかる事務コストを軽減できます。
◎受付時と会計時の処理がスムーズに行える
⇒診療終了(カルテ入力が完了)と同時に会計処理が可能です。
◎その他の事務作業の効率が向上
⇒紹介先医療機関ごとのテンプレートを用意できるため、紹介状等を簡単に作成できます。
◎検査会社から検査データを直接取り込める
⇒検査数値をカルテに記入することがないため、事務処理量を削減できます。
◎すべてのデータを電子カルテに一元化できる
⇒画像データ等も取り込めるため、データを管理しやすくなっています。
◎レセプト請求時の事務作業を軽減できる
⇒診療終了後、ドクターがカルテ入力を済ませれば会計処理まで行えます。病名やコメント入力に漏れがなければ、若干の修正を加えるだけでレセプト請求が可能です。レセプト請求による残業が減り、人件費が削減できます。
電子カルテ導入のデメリットと対策
△故障や停電時等のトラブルに弱い
⇒対策:機器のトラブルが起これば、保守契約のもとメンテナンスが入ります。遠隔操作が可能なので、基本的にはトラブルにすぐ対応できます。「無停電装置」を設置しており、数時間の電源は確保されるので、停電の際も復旧までの時間を稼ぐことができます。過電流が起これば強制的にシャットダウンし、本体に干渉しないように設計されています。
△入力に意識が集中し、患者の顔を見ない
⇒対策:電子カルテのいちばんのデメリットといわれていますが、ドクター自身のパソコンスキルによるところが大きいため、機械的な改善は期待できません。操作性は向上しており、以前に比べると入力作業は単純化しています。
△時系列に沿って患者情報を把握しにくい
⇒対策:データの処理、反応スピードは格段に向上していますし、時系列に沿ってカルテ内容を見るためのインターフェースの改良も進んでいます。診療に必要な過去データの閲覧にはストレスを感じなくなってきたようです。
△コストが高い
⇒対策:メカニック面では電子カルテの機能は成熟期に入り、各メーカーにおいても初期開発コストは回収できているものと思われます。黎明期の導入費用は、電子カルテ一台で400万円を超えていましたが、現在では3台構成で200万円程度にまで下がり、レセコンと差がなくなっています。保守費用は年間40万円から50万円と若干割高ですが、事務処理コストは十分に回収できる金額です。
柳 尚信
株式会社レゾリューション 代表取締役
株式会社メディカルタクト 代表取締役
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