(※写真はイメージです/PIXTA)

高崎経済大学経済学部教授、さくらジャパン税理士法人の税理士である田中久夫氏の著書『ロータリークラブに入ろう!』より一部を抜粋・再編集し、知られざる「ロータリークラブ」の魅力について解説する。

ロータリークラブの面接は、早速宴会になり…

1週間ほどして、クラブの事務局員という女性から面接の日時と場所の連絡がきた。

 

次の月曜日の夜6時30分、地元では老舗の料亭UNに呼ばれた。敷居が高そうな店だ。時間通りに行くと、会員増強委員長という肩書きのYKさん(印刷)以下三人が待っていた。

 

何を聞かれるのか少し緊張したが、早速宴会になってなかなか面接らしいことは始まらない。お互い相当飲んだあと、YKさんがおもむろに切り出した。

 

「面接は合格だ。2次会に行こう」

 

少し拍子抜けしたが、その人たちと2次会に繰り出した。その2次会も終わり、帰り際にYKさんが恐ろしいことを言い出した。

 

「実は、入会するのには選挙がある。しかも会員全員の賛成が必要だ。誰か1人の反対が出ても入会は認められないのだ」

「えっ、聞いてないよ」

「今日のことは理事会に報告する。その後、理事会の決定を経たあと、会員による選挙になる。選挙には1週間かかる。その期間内に反対が出なければ入会が認められる」

 

最後に僕の肩をポンと叩いて、「まあ、大丈夫だよ。選挙が終わったら連絡するから……」と言われて別れた。

 

後日、YKさんから連絡があった。結果は合格したとのこと。どんな試験や選挙でも合格と聞けばやっぱり嬉しいものだ。そのとき言われた言葉が、

 

「7月の第1月曜日の12時10分から例会が始まるから、その30分前までに会場に来なさい」

「名刺を箱で持ってきなさい」

「例会中に自己紹介の挨拶があるから準備をしておくように。その挨拶の中には、必ず織り込むべきフレーズがある」

「それは、『伝統と格式のあるクラブに入れていただいて感謝している』という言葉だ」

 

とレクチャーされた。そのとき、これから入る高崎ロータリークラブは地元高崎市では最も歴史のある古参のクラブであること、現在の会員数は100人を超える大所帯であって、地元の他の5つのクラブのどこよりも大きいことなどを教えられた。

 

少しだけ、叩かれた肩の荷が重くなったような気がした。そして、ロータリークラブに入るという選択が間違いだったような気もしてきた。

 

こうして、僕のその後の人生の大半を占めることになる長いロータリーライフが始まった。

 

 

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さくらジャパン社会保険労務士法人 税理士
田中 久夫

 

1957年2月生まれ、群馬県高崎市出身

●現職
・高崎経済大学経済学部教授(会計学専攻)
・経営学博士 さくらジャパン税理士法人
・税理士 さくらジャパン社会保険労務士法人
・社会保険労務士

●ロータリー歴
1998年高崎ロータリークラブ入会、幹事を経て会長(2014~2015)
その後、国際ロータリー第2840地区ガバナー(2017~2018)に就任
現在は、国際ロータリー第1地域ロータリーコーデイネーター補佐(ARC)
公益財団法人ロータリー米山記念奨学会評議員、同会財務委員長

●主な著書
「商法と税法の研究」森山書店、「税務会計論序説」税務経理協会、「商法と税法の接点」財経詳報社、「不動産投資」ダイヤモンド社、「会計学を学んだあとの法人税法セミナー」学陽書房ほか多数

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ロータリークラブに入ろう!』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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