(※写真はイメージです/PIXTA)

「日本一忙しい小児科医」と言われる筆者が1日に診る患者数は平均200人。一般の医師にとっては1日100人でも驚異的な数字です。なぜ、これだけの患者を診ることができるのか? それはムダを最大限カットするために様々な工夫を行っているからです。本稿ではその工夫の一例として、紙カルテとシールを使った、アナログながら超効率的な伝達術を見ていきましょう。

看護師の「医師からの指示を待つ時間」をカット

私の院がシールを使ったコミュニケーションを行っている理由は、4つあります。

 

1つ目の理由は「手待ち時間の短縮」です。

 

例えば、溶連菌が流行している学校に通う子どもが、発熱とのどの痛みを訴えて来院したとします。この場合、患者が溶連菌にかかっている可能性は極めて高いでしょう。

 

ところが一般の医療機関では、医師がその場で診察を行ったあとに看護師に溶連菌検査のオーダーを出し、看護師はそこから検査の準備を始めるというやり方を採ります。これでは、医師の指示を受けてから看護師が検査準備をするため、時間がムダになってしまいます。

 

一方私の院では、「学校で溶連菌が流行っている」という問診結果が書かれたカルテを見た瞬間、私がカルテに溶連菌のシールを貼ります。

 

すると、それを見た看護師はすぐに溶連菌検査の準備を始めるのです。

 

そして、私が患者に「溶連菌の検査をしてみましょうか」と案内するときには、すでに準備が終わって検査に入れる態勢ができています。

 

シールを使えば、看護師や事務スタッフとの連絡に費やす時間が大幅に短縮できます。

 

例えば看護師に「Aちゃんは溶連菌の疑いが強いので、これから検査の準備をしてください」と伝えると数秒かかってしまいますが、シールを貼るだけなら1秒くらいしかかかりません。その分、診療時間も短くなるのです。

口頭指示だと起こりがちな「伝達ミス」を回避

2つ目の理由は、ミスの危険性を下げることです。口頭で指示を伝えようとすると、言い間違いや聞き間違いをすることがあり得ます。

 

一方、シールなら伝え間違いの危険性は小さくなります。

 

また、各シールには色分けがされていて、シールを貼る側も読む側も、「このシールはXXの指示だな」と直感的に理解できます。

 

このとき注意したいのが、シールの色分けです。

 

例えば、「心エコーや腹エコーなどの診察方法に関するシールは〇色、溶連菌やマイコプラズマなどの病名はX色」などのようにカテゴリーごとに色分けをしようとすると、看護師が直感的に理解できずうまくいきません。「心エコーは〇色、腹エコーはX色、心電図は△色」のように、同カテゴリー内で色分けをするほうが分かりやすいです。

 

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次ページ患者とのコミュニケーション密度もアップ

※本連載は、鈴木幹啓氏の著書『開業医を救うオンライン診療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

開業医を救うオンライン診療

開業医を救うオンライン診療

鈴木 幹啓

幻冬舎メディアコンサルティング

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