※画像はイメージです/PIXTA

争族、離婚トラブル、労働問題…弁護士事務所には今日も様々な相談が舞い込みます。本連載では、弁護士法人アズバーズ代表の櫻井俊宏氏が、実際に寄せられたトラブル事例を紹介し、具体的な対策を解説します。※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

調査官は重加算税をかけたがる
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鍋に唾を吐いた動画を投稿して大炎上したが…

1 バカッターにより株価が大きく下がった!?

 

私は大手飲食チェーンXで法務を担当する者です。

 

自社の従業員Aが、料理中の鍋に踊りながら唾を入れている様子を動画で撮影し、ツイッターに投稿しました。その投稿はものすごい勢いでリツイートされました。

 

一体何が面白いのか…と思っていたら案の定ツイッターでは、

 

「あの店の料理には唾が入っていたかと思うとゾっとする…気持ち悪い。二度と行かない」

「Xはあんな従業員ばかりだよ。バイトの接客もひどい。数年前から行かなくなったけど正解だったな」

 

といった投稿が大量に掲載されました。その反響はすさまじく、投稿の翌日からクレームが止みません。お客様もどんどん離れていき、当社の株価はわずか1ヵ月で大きく値を下げてしまいました。

 

社長は「こんな従業員にはきっちり対応しておかないと、社会にもほかの従業員にも示しがつかない」と激怒しています。法律上、Aに対してどのような対応が可能なのでしょうか?

一方の「バイト側」の主張は…

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大手飲食チェーンXで働いていた21歳男性です。

 

業務時間中に同僚と盛り上がり、料理中の鍋に唾を入れる動画を投稿しました。ふざけ半分でしたし、私のフォロワーは少なかったので身内の笑いネタとしてツイートしたのですが、瞬く間にリツイートされました。

 

お店の評判が下がったのは申し訳ないことだと思っています。ただ私も、本名・電話番号・住所等をネットで晒上げられ大変困っており、ある意味被害者です。お店から「損害賠償を請求する可能性もある」と言われましたが、そんなもの払える気がしません。

 

私はどうすればいいでしょうか…。

 

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2 SNSの炎上問題

2013年ごろ、店内で問題行動を起こし、その動画をツイッター等のSNSでアップして炎上する騒動が頻発しました。

 

ツイッターが主であったことから、「バカッター」、もしくはアルバイトが「テロ行為」を行うということで「バイトテロ」といった呼び名で広まり、度々ニュースで取り上げられていましたね。昨今は減少したものの、このようなSNSの炎上問題はネット社会が発展した現代において必然の現象なのでしょう。

 

次ページ「株価が下落した」で損害賠償請求はできるのか?

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