※画像はイメージです/PIXTA

青色申告は、会社経営者や自営業者の方だけでなく、都市農家の方や地主の方にも多くのメリットがあります。どのような手順を踏んで手続きをすればいいのか、ランドマーク税理士法人の代表税理士、清田幸弘氏が解説します。※本記事は『令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド』(税務研究会出版局)より一部を抜粋・再編集したものです。

青色申告の申告者の名義を、父から自分に変更したい

Q

私は父と一緒に農業経営を行っていましたが、父が病気になってしまいましたので私が中心となって経営を行うことになりました。この場合、私の所得として申告をしたいと思うのですが、できるのでしょうか。また、その手続きについて教えてください。なお、父は青色申告で行っていました。

 

A

申告はあなたの名前ですることができます。ただし、青色申告をしようとする場合には、所轄の税務署長に「所得税の青色申告承認申請書」を事業を引継いだ日から2ヵ月以内に提出しなければなりません。

 

◆解説◆

解説生計を一にしている親子間で親と子がともに農業に従事している場合、子が相当の年齢(おおむね30歳以上)に達し、事業を主宰するに至ったと認められる場合、子を事業主として推定することができるとされているので、あなたの名前で申告することができます。ただし、青色申告の承認については、申請のあったあなたのお父さんに対してなされたものであるため、あなたが青色申告をしようとする場合には、事業を引き継いだ日から2ヵ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。また、あなたは新たに事業をはじめることになりますので、「個人事業の開廃業等届出書」、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出する必要があります。

なお、あなたのお父さんについては「所得税の青色申告の取りやめ届出書」「個人事業の開廃業等届出書」または「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出する必要があります。

また、このとき事業用の資産については原則として親から子へ移転されたものと考えられるため、事業用資産が多い場合には贈与税の課税が生じる可能性があるので注意が必要です。

 

 

清田 幸弘

ランドマーク税理士法人 代表税理士

 

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令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド

令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド

清田 幸弘

税務研究会出版局

農家の長男として生まれ、現在、各農協・農協連合会等で顧問税理士を勤めるかたわら、農協連合会や各農協等で多数の講演も行う著者が、自らも農業者である視点から、都市部の農家や地主の方のために「経営改善と節税、事業承継…

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