(※写真はイメージです/PIXTA)

仕事をスムーズに動かす「経営の仕組み」の構築が必要不可欠です。誰でも仕事ができるようになる計画や制度を仕組化する方法を見ていきましょう。※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

経営の仕組みのメリット②

人、物、金が変わる

引き続き、[メリット6]が⑤総務部門、[メリット7][メリット8]が⑥経理部門、[メリット9]が、事業承継についてのメリットです。

 

[メリット6]社員のやる気や仕事力が上がる

賃金体系、人事考課、目標管理が整備されることで、毎年個人ごとの目標をもとに公正な人事考課が行われ、その結果にもとづき賃金が支給されます。適正な処遇や配置がなされることで、社員のやる気は上がっていきます。さらに、社員教育により仕事力がアップしていきます。

 

[メリット7]計数にもとづく経営になる

予算にもとづく経営を推進し、つねに計画と実績を対比して見ていきます。これにより、計画を下回れば、早急に対策を講じ、経営目標を確実に達成していくことができます。

 

一方、資金管理も徹底され資金繰りの心配がなくなります。さらに、自社の決算を分析する力をもつことで、決算の計数分析をもとに、次年度以降の会社の方向性を打ち出すことができます。

 

[メリット8]取引金融機関の評価が向上

決算分析がきちんとできるようになることで、取引金融機関と自社の課題や今後の方向性について、経営計画をもとに計数で話をすることができるようになります。これにより、取引金融機関の信頼度が高まります。

 

[メリット9]事業承継がスムーズに進む

事業承継の根幹の1つといわれている経営理念を始め、経営の運営方針が経営計画の中でしっかり作成されます。さらに取引先情報や技術・技能などが整備されることで後継者は、会社の運営をきちんと行っていくことができます。

 

ワンポイント
システム構築を始めるには勇気が必要。

具体的行動
しかし、システムを築いてしまえば、効果は絶大。

 

社長が辞めるまでに残された社員のためにすべきこと

会社を存続するための方法を構築する

経営計画は、会社の事業承継にも必要となります。中小企業庁が公表している「経営者のための事業承継マニュアル」によると、事業承継の構成要素は大きく3つに分けられま

す。

 

①後継者教育などを進めて経営権を引き継ぐ「人」の承継

②自社株式・事業用資産、債権や債務など「資産」の承継

③経営理念や取引先との人脈、技術・技能といった「知的資産」の承継

 

この3つのうち知的資産は、経営計画につながります。特に、経営理念の承継は、経営計画の中心テーマでもあります。前項で述べた、経営計画などの経営の仕組みを整備することは、まさに事業承継の知的資産を整備することになります。この経営の仕組みをきちんと構築することで、知的資産が容易に事業承継され、事業承継後も会社をきちんと運営していくことができます。

 

会社は社長が辞めるまでの私的所有物ではありません。社員がいる限り、継続していく必要があります。継続するためには根幹となる理念が社員の意志を統合させていくのです。

 

ワンポイント
仕組みがないと次の代に残すものが見えなくなる。

具体的行動
経営計画を作り、会社の知的資産を整備してしっかりと事業承継しよう。

 

 

宮内 健次

中小企業診断士 社会保険労務士

 

 

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