(※写真はイメージです/PIXTA)

現在、マンション総数は660万戸以上に上り、そのうち約106万戸が旧耐震基準で建設されたもので、マンションの耐震化が進められています。その一方で、国はマンションの建替えを円滑に進めようとしていますが、実際のマンションの建替えは進んでいないのが現状です。その原因はマンション住民の高齢化と経済格差、立地条件が建替えだと指摘されていますが…。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

住民の経済格差と立地条件が建替えを阻む

現在、建替えを完了したマンションでは敷地が広く建替え以前の建物より大きな建物が建ったことにより、区分所有者の負担する金額は少なくなって、新しいマンションに住み替えられたケースがほとんどだといわれています。

 

しかし敷地が広く、現在の建物より大きなマンションを建てることができれば、建替えはスムースに実施することができるかというとそうとは限りません。郊外にある大きな団地では敷地が広く現在の建物より大きなマンションを建設できることがありますが、そのような郊外にある団地などは、駅から遠くバス便で不便な立地の為、マンションを建設しても買い手がつかないことからデベロッパーの協力が得られないことが多くあります。

 

このように、区分所有者の経済的な理由と立地条件が建替えをスムースに実施することができない原因のようです。

 

マンション管理に居住者の意識がどれだけ高いのか、維持管理の仕方によって、実際の住まいの寿命は変わってきます。

 

最近では、現在のマンションをどれだけ上手に手入れして丁寧に住み続けることが地球のエコにもつながることから「建替えよりも修繕へ」と方向転換する管理組合も多くなっております。

 

まずは、将来建替えを行うのか、丁寧に住み続けて、上手に手入れして延命させるのか、築年数の経過したマンションでは管理組合でその方向性を確認することが大切です。

 

松本 洋

松本マンション管理士事務所 代表

 

 

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