株式投資「性格のいい人ほど損をする」という俗説は本当か? (※画像はイメージです/PIXTA)

近年では、株式投資を資産形成の選択肢とする考えが浸透し、チャレンジする人が増えています。しかし、多くの人が容易に収益を上げられるほど簡単ではありません。株で儲けられる人・儲けられない人にはどのような差があるのでしょうか。※本記事は『あなたが投資で儲からない理由』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

株式投資がうまくいく人の「性格」と「特徴」

①人と違うことが平気でできる

 

これは、前述のタイプ③「みんなと一緒だと安心」という人の逆である。人は基本的にみんなと違うことをするのが苦手だ。というよりも誰もが「みんなと一緒に同じことをしていると安心する」という気持ちは大なり小なり持っている。心理学で言う「同調効果」だろう。ところが株式投資においては、みんなと同じことをやっていたのでは絶対に儲からない。これはごく単純な話である。

 

株価が高くなっているという状態は需給関係で言えば、圧倒的に需要が大きい。すなわち買いたい人がたくさんいるからである。そんな時にみんなと同じように買いに行ったのでは高値づかみをしかねない。むしろそうした多くの人の動きを冷ややかに眺めながら、冷静に売却する方がいい。逆に総悲観の時、みんなが絶望的になって眺めたり、パニック状態で売ったりしている時に、冷静になって買いを入れることができないといけない。つまり多くの人がやっていることと逆の行動を取ることが成功の秘訣なのだ。

 

これは言うのは簡単だが、実際にやるのはとても難しい。みんなと同じことをやって失敗したのなら、まだあきらめがつくが、みんなと違うことをやって失敗した時の後悔は非常に大きいからだ。したがって投資で成功するには、その感情を克服する強靭な精神力を持っていないといけない。つまり、何でも人とは逆のことをやりたがるあまのじゃくな性格の方が投資には向いているのである。

 

②情報を自分で確かめる

 

最近はSNSなどを通じて個人が自由に情報を発信できるようになった。これは良いことだが、困った面もある。それはかなりいい加減な情報が、それも大量にあふれてくるようになったことだ。いわゆるフェイクニュースというやつだが、これはSNSに限らず、テレビのワイドショーなどでもあふれている。専門家でもない人がコメントすること自体、疑問に思わないといけないのだが、多くの人は「テレビに出ている人」や「知っている有名人」がコメントすると深く考えずに信じてしまう。心理学で言う「ハロー効果」である。

 

投資の世界でも同じことで、実に怪しげな情報や間違った解釈が述べられていることも多いのだが、それらについても安易に信用してしまう人が多い。前述のタイプ①「人の言うことを信じやすい」とか、タイプ④「テレビのワイドショーやSNSの情報を熱心に見る」というタイプの人が陥りやすい通弊だ。

 

それらの情報の多くは自分の体験に基づくことや見聞きしたことをベースにしていることが多いのだが、それらは「エピソード」といわれるものであり、「エビデンス(根拠)」に基づく事実とは異なるものだ。でも聞いている方からすれば、エピソードの方が面白いし、再現性があるかのごとく勘違いをしてしまう。一方、エビデンスは公開された数字なので、それをベースにして自分で解釈する必要がある。ところが数字だけ聞いても何のことやらわからないという人も多いし、そもそも面倒だ。

 

しかし投資で大事なのはエピソードではなく、エビデンスをベースにして自分の頭の中で判断することだ。投資は先の読めないことを推測するわけだが、そのためには公開された財務情報をベースに判断するしかない。投資する先の決算書や、最低でも『会社四季報』ぐらいの資料はきちんと読み込んでおくことは必要だ。

 

安易に人の言うことを信じず、常に疑いの目を持つことが大事なのである。

 

③自分の頭で考える

 

そしてこれが一番大事なことだ。ところが投資家の方たちの中には自分で考えるのが嫌で、その判断を人に委ねたがる人たちがいる。というよりもむしろそういうタイプの投資家の方が多いかもしれない。筆者もたまに株式セミナーを聞きに行くことがあるが、そんな時によく目にするのが、以下のような光景だ。景気やセクター別の動向、金利や為替といった話をしている時はぐっすり寝込んでいる参加者が、「では以上の背景を踏まえて注目銘柄についてお話しします」と言った途端にガバっと起き上がって熱心にメモを取り始める。

 

先日もあるアナリストに話を聞いた時に、同じようなことはよくあると言っていた。彼に対して、セミナー終了後に出てくる質問の中には「お勧めの銘柄コードだけ教えてください、理由はいりません!」というものさえあると言う。また〇〇ショックと言われるような大きな市場の変化だけではなく、日々様々な情報によって動いていく。

 

それらについて、まず自分で考えることをせず、何でも人の意見をまず聞くというのが冒頭で述べた5つのタイプの内、タイプ②「何かあった時に人の意見を聞きたがる」というパターンだ。確かに投資の判断をするというのは勇気のいることだ。判断した結果が必ずうまくいくとは限らないのだから、失敗して損をするということも当然あり得る。もしうまくいかなかった場合に後悔したくない、自分のせいにしたくないという気持ちが出てくるのはごく自然なことだろう。人は誰も意思決定にあたって後悔を回避したいと思うものだからだ。

 

そこで人に聞いてその人の言う通りに売買した方が、その時点では、かなり気持ちが楽になる。「あの人の見通しはよく当たる!」とか「あの人の言うことは正しい」と信じることはとても楽だし、仮に当たらなかったとしてもそれは自分の責任ではなく、当てられなかった〝あの人〞のせいにできるからだ。つまり自分のせいで後悔したり、損失が生じたりすることを避けたいという気持ちから占い師に聞くのと同様、誰かに聞こうとする。

 

これは冒頭のタイプ⑤「占いが好きなタイプである」といった人たちだ。ところが、投資で最もやってはいけないことは人の言うことを安易に信じることである。信じるという行為は言い換えれば「思考停止」になることだからだ。

 

マーケットに向かう時は考え抜くことがとても大切なのだ。頭を柔らかくし、柔軟に対処することこそが成功する道だ。なぜなら相場に「絶対」ということはないからだ。常に柔軟に考えながら臨機応変に自分で判断していくことは欠かせない。

 

投資はそれほど簡単なものではない。普通の人が自然な感情で株式投資をしても儲かるとは限らない。いや、むしろ損をする可能性の方が高い。誰にも頼らず自分で考え抜くということ、人の言うことをうかつに信用しないこと、そして人と逆のことを平気で行えるメンタリティを持つことが必要で、かつ忍耐強さも求められるのが株式投資だ。

 

やはり、性格の素直な人=性格のいい人ではなかなか儲けることができないというのは真実だろう。

 

 

大江 英樹

株式会社オフィス・リベルタス 代表取締役

1級ファイナンシャルプランニング技能士

 

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株式会社オフィス・リベルタス 代表取締役 

経済コラムニスト。専門分野はシニア層のライフプランニング、資産運用及び確定拠出年金、行動経済学等。大手証券会社を退職し、2012年にサラリーマンの老後支援を目的に(株)オフィス・リベルタスを設立。書籍やコラム執筆のかたわら、資産運用、年金、シニアライフプラン等のテーマで全国で年間140回を超える講演を行っている。CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。主著に、『定年男子 定年女子』(共著、日経BP)、『経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)、『定年前』(朝日新書)、『資産寿命』(朝日新書)、『定年前、しなくていい5つのこと「定年の常識」にダマされるな!』(光文社)など多数ある。

著者紹介

連載株で儲かる人・儲からない人の境界線…「自分の頭で考える」投資術

あなたが投資で儲からない理由

あなたが投資で儲からない理由

大江 英樹

日本経済新聞出版

「儲からない」にはちゃんと理由がある。 マーケットが好調な時には、身の回りのいたる所に投資に関する情報があふれます。「投資は誰でもできる」「市場が好調なら誰でも儲かる」そんな言葉につられて投資を始めたものの、…

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