(※写真はイメージです/PIXTA)

「人生100年時代」といわれています。60歳になれば定年が待っています。いざ定年が訪れると不安が押し寄せます。定年後の3大不安は「お金」「健康」「生きがい」といわれています。この3つは別々な問題に見えて、じつは連動しています。どのように対処したらいいのでしょうか。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

コミュニティが変われば昔の肩書きは意味がない

けれど、老後のことを考えてください。

 

男性は仕事のコミュニティが激減します。いっぽう、女性は男性にくらべてコミュニティをつくるのが上手です。子ども関係のコミュニティを卒業したら、つぎは習いごとやスポーツクラブ、地域活動など新しい世界へと軸足を移します。男性のほうがどうしても孤独になってしまいがちなのです。

 

ここは一念発起して、男性もコミュニティをつくりだす必要があります。もしくは、妻のコミュニティに交ぜてもらってもいいでしょう。

 

ホームパーティも、コミュニティを再構築するきっかけづくりに役立つのではないでしょうか。

 

■定年後は、みんなフツーの人です

 

会社勤め時代は、同期との出世競争に鎬を削ったり、同僚の給料や営業成績などが気になったり……つねに他者と自分を比較して、自分がどのくらいのポジションにあるのかを気にかけていませんでしたか。

 

会社員にとって、肩書きは重要です。ビジネスでは肩書きがものをいう場面もすくなくありません。

 

しかし、定年後は会社の肩書きが通用しません。一流企業に勤めていても、「へえ、そうだったんですか」で終わってしまいます。もともと肩書きに頓着しない女性などからは、「だから何?」と歯牙にもかけてもらえないでしょう。

 

部長であろうが社長であろうが、名刺がなくなればただのオジサンです。むしろ、町内会会長のほうがインパクトは強いかもしれません。

 

そう、コミュニティが変わったのです。コミュニティが変われば、それまでの肩書きは意味をなさないことを認識する必要があります。

 

いつまでも昔の肩書きにこだわっていたら、人間関係はどんどん希薄になります。気分を一新して、新しいコミュニティに参加するのが得策だと思います。そこで、いままで培ってきた経験や技術を活かせるチャンスもないとはいえません。

 

名刺に頼らない人間関係を築くわけですが、自分で新たな名刺をつくってもいいでしょう。得意なこと、趣味、以前の仕事内容など、書き入れる内容は自由です。

 

互いのことをよく知らないと、なかなか会話が弾はずまないものです。でも、名刺があれば「おや、あなたも旅行がお好きなんですか。最近はどちらへいかれました?」といったように会話の糸口ができ、話題が広がっていくかもしれません。

 

長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員

 

 

老後資金は貯めるな!

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長尾 義弘

河出書房新社

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