日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「役職者の給料」。いまの会社で肩書が上がっていくと、どのように給料は変わっていくか、知っていますか?
まるで若手社員の給料…手取り23万円の「部長」「課長」の厳しい現実

役職ありと役職なし、その給与差は?

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(平均年齢43.2歳)の残業代などを除く平均月給(所定内給与額*)は30万7700円。手取り額は、独身であれば23万円、子どもが1人いれば24万円程度です。

 

所定内給与額:所定労働時間を勤務した場合に通常支給される月々の賃金で、基本給のほか職務手当、家族手当、通勤手当等の諸手当を含む

 

さらに学歴別に見ていくと、最終学歴が高校の場合は27万400円、大学の場合は36万2900円、大学院の場合は45万4500円。大学にいっているかどうかで9万円の差が生じ、大学院に進学するか否かでも9万円の差が生じています。

 

そんな会社員の平均月給は、年齢と共に上がっていき、還暦前の50代後半で36万8600万円とピークに達します。

 

【会社員の年齢別平均月給】

20~24歳:21万2000円

25~29歳:24万4600円

30~34歳:27万4400円

35~39歳:30万5200円

40~44歳:32万9800円

45~49歳:34万7400円

50~54歳:36万8000円

55~59歳:36万8600円

60~64歳:28万9300円

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より

※金額は所定内給与額

 

そんな会社員の給料、増やしていくための方法として正攻法なのが、昇進を目指すこと。

 

同調査によると、役職なしの会社員(平均年齢40.7歳)の平均月給は27万8400円。それに対して係長(平均年齢45.0歳)だと37万1900円と、約9万円、手取りで6万円ほどの昇給となります。

 

さらに昇進して課長(平均年齢48.6歳)になると、平均月給は49万2200円。額面で12万円、手取りで8万円ほどの昇給となります。

 

さらに昇進して部長(平均年齢52.8歳)になると、平均月給は59万4400円。額面で10万円、手取りで6万円ほどの昇給となります。

 

役職なしの会社員と役職・部長の間には、30万円を超える給与差があります。役職なしの場合だと、手取り額は20万円を上回る程度。1人暮らしならまだいいですが、それで家族がいるとなると、かなり厳しい家計運営を強いられることになります。やはり会社員であれば、昇進による昇給を目指したいものです。