日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は世界知的所有権機関による「特許出願数」に注目していきます。

「国際特許出願件数」…日本のポジションは?

特許でもう一つ注目したいのが、特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願。国際的な展開を視野に入れた特許の出願といえるものですが、2020年の世界トップは「中国」で6万8692件。2位「米国」5万8849件、3位「日本」5万525件と続きます(関連記事:『世界「特許出願数/国際特許出願件数」ベスト20』)。

 

*ひとつの出願願書を条約に従って提出することによって、PCT加盟国であるすべての国に同時に出願したことと同じ効果を与える出願制度

 

【世界のPCTに基づく「国際特許出願件数」ベスト10】

1位「中国」68,692件

2位「米国」58,849件

3位「日本」50,525件

4位「韓国」20,059件

5位「ドイツ」18,543件

6位「フランス」7,764件

7位「イギリス」5,904件

8位「スイス」4,879件

9位「スウェーデン」4,352件

10位「オラン」4,014件

 

出所:WIPO (世界知的所有権機関)

 

同じように1990年にさかのぼると、当時の世界トップは「米国」で7726件。「日本」は「ドイツ」「イギリス」に続く4位で1747件でした。その後、「日本」は2003年に17,415件で世界第2位になると、2016年まで「米国」に次ぐポジションを維持してきました。

 

ここでも近年の「中国」の台頭が見られますが、トップとの差は「特許出願数」ほど開いていません。ビジネスがグローバル化するなかで、特許も世界視野でという志向が広まっていますが、この分野では日本もなかなか良いポジションにいるのではないでしょうか。

 

しかし再び「特許出願数」に注目してみると、「中国」など増加傾向にある国が目立つのに対し、「日本」は90年代から2000年代にかけて30万件台から50万台件に伸ばしたものの、そのあとの停滞感が目立ちます。

 

国際特許の出願には手間もコストもかかるのに対し、「特許件数」についてはそれほどではなく、研究力にも関連するものと考えられます。その研究力に疑問符がついている「日本」。特許の分野での停滞感も続き、国際競争力にも影響を及ぼしかねないと懸念されます。

 

 

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