(※写真はイメージです/PIXTA)

「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」で、3000万円不足するなどといわれていますが、実際のところはピンとこない人も多いことでしょう。この大問題をどう解決すればいいのでしょうか。定年退職したサラリーマンも活用できる付加年金、国民年金基金などの活用法をお届けします。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

退職金特別プランは本当に“特別プラン”である

退職金特別プランの"抱き合わせ"の正体とは

 

投資信託を申し込むと、同額の定期預金の利率がグッとアップするという、退職金特別プランもよく見かけます。

 

利率は、なんと6%くらいまで跳は ね上がります。定期預金の利率が0.002%という時代ですから、驚くほどお得に思えます。

 

ただ、よく見ると小さい字で「3か月もの」と記載されています。ようするに、3か月だけ6%が適用され、その後は通常の利率にもどるわけです。

 

もっとも、3か月6%を年利に直すと1.5%になり、それでも有利です。1000万円を預ければ、15万円の利息がつきます。

 

しかし、半分以上の金額を投資信託で申し込むこと、となっている条件がクセモノなのです。

投資信託を申し込むと、購入手数料は3%です。定期預金と同額の1000万円を申し込めば、手数料は30万円。

 

 

 

実際は手数料として、利息の2倍の額を払うしくみになっています。有利な金利は見せかけでしかありません。

 

投資信託は購入手数料がかからないノーロードの商品が増えていますが、そういった商品は対象外です。しかも、この手数料は購入価格1000万円に含まれているため、気づきにくいのです。

 

2000万円の退職金特別プランとは、マイナス15万円のリスクを背負って始めるプランを意味します。

 

銀行にだけ、うま味のあるプランだといっても過言ではないでしょう。

 

 

長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員

 

 

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